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【Globali】
「チェコのトランプ」下院選で勝利、首相就任か(2017/10/23)
10月22日付 『AFP』『CNN』など英文各メディアはチェコ共和国で金曜日と土曜日に行われた下院選挙(定数200)で、アンドレイ・バビシュ氏率いる「ANO2011」が勝利し、第1党となる見込みだと報じた。
ANOは今回の選挙で78議席、約30%の得票率を獲得した。これにより第1党となり、党首のバビシュ氏が次期首相となる可能性が高まった。第2位でEU懐疑派の右派政党・市民民主党(ODS)と比べると3倍近くの得票率だが、過半数には届いておらず、ODSは連立を組むことを否定しているため、過半数を超えて政権を占めるにはこの他の2党以上と連立を組む必要がある。
バビシュ氏はチェコで実業家として知られ、多くの資産を持ち、ポピュリズムを主張していたことから、米大統領のドナルド・トランプ氏と共通すると指摘されてきた。...
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ANOは今回の選挙で78議席、約30%の得票率を獲得した。これにより第1党となり、党首のバビシュ氏が次期首相となる可能性が高まった。第2位でEU懐疑派の右派政党・市民民主党(ODS)と比べると3倍近くの得票率だが、過半数には届いておらず、ODSは連立を組むことを否定しているため、過半数を超えて政権を占めるにはこの他の2党以上と連立を組む必要がある。
バビシュ氏はチェコで実業家として知られ、多くの資産を持ち、ポピュリズムを主張していたことから、米大統領のドナルド・トランプ氏と共通すると指摘されてきた。親EU派でありながら、単一通貨のユーロ導入には反対しており、難民受け入れも否定的だ。バビシュ氏の反対派からは、利益相反を引き起こす指導方針や自身のビジネス、メディアへの権力行使などが民主主義を脅かす危険性があると言われている。また警察当局が、バビシュ氏が過去に受け取ったEU補助金を自分のビジネスのために使用したとにらんでおり、ODSが連立を組まない理由の一つに挙げていた。バビシュ氏自身はこの件に関して不正利用はしていないと否定している。
今回の選挙は、国家の重い債務や長時間・低賃金労働などで国民の不満がたまり、そのはけ口として右派政党やポピュリズムが台頭してくる結果となった。ODSに続く第3党として東京生まれの日系トミオ・オカムラ氏が率いる極右政党「自由と直接民主主義」(海賊党)が20近くの議席を確保した。
チェコの大統領であるミロシュ・ゼマン氏は月曜日にバビシュ氏と会い、今後について話し合うとしているが、公式指名はさらに後になると述べている。憲法に則り、連立政権交渉の機会を与えるため、最初の議会まで最大30日間猶予が与えられる見込み。
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