米公衆衛生ジャーナルに19日に掲載された、拳銃に関する新しい調査によれば、およそ300万人の米国人が、主に護身用として、毎日銃を携帯しており、少なくとも月に1回携帯しているという人もおよそ900万人に上ることが判明したという。
同調査は2015年にワシントン、ハーバード、コロラド大学の公衆衛生の専門家グループが行ったもので、研究者らは約1,500人の銃所有者を含む約4,000人の米国民を対象にオンラインで得られたデータを分析した。執筆に当たったワシントン大学のアリ・ロウハニラハバール氏は、「銃器の種類が知られている犯罪を見てみると、銃器を使用した殺人や死者の出なかった銃犯罪の内、90%で拳銃が使われているので、拳銃の携帯の研究は重要である。...
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同調査は2015年にワシントン、ハーバード、コロラド大学の公衆衛生の専門家グループが行ったもので、研究者らは約1,500人の銃所有者を含む約4,000人の米国民を対象にオンラインで得られたデータを分析した。執筆に当たったワシントン大学のアリ・ロウハニラハバール氏は、「銃器の種類が知られている犯罪を見てみると、銃器を使用した殺人や死者の出なかった銃犯罪の内、90%で拳銃が使われているので、拳銃の携帯の研究は重要である。」と説明している。
同調査では、拳銃の所有者に、外出する際にどの位の頻度で銃を携帯するかを質問した。これによると、およそ900万人の人が少なくとも月に1回は携帯し、その内300万人が毎日携帯すると回答したという。
月に1回以上拳銃を携帯する人を細かく見ると、年齢が18歳から29歳と若い男性が多く、南部諸州に住んでおり、元々銃を持った家庭で育った人が多いという傾向がある。また政治的には保守的で、2種類以上の銃を持つ人が多かった。
80%の保持者は護身が主な理由であるとしている。6%近くの人が、過去5年間に少なくとも1度は他人から銃で脅された経験があり、20%の人が許可証を必要とする州であっても、それを得ずに隠して銃を持ち歩いていると答えている。80%の所持者が銃を隠して携帯する許可を得ており、66%が常に隠して持ち歩いている。10%が隠さずに持ち歩いていると回答した。
最近では、許可証がなくても隠して秘密裏に持っていれば良いという州が増えている。2003年以前はバーモント州だけだったが、それ以降は11の他州で許可なく持ち運びができるように法律が改定された。許可証が簡単に取れる州も増えている。その結果、拳銃を携帯する人が米国内に爆発的に増える結果となった。以前は銃が自分を守り、犯罪を未然に防いでいるとの意見もあったが、最近では許可を得るのが簡単な州では10-15%も凶悪犯罪が増えたという統計もある。先のラスベガスの乱射事件は記憶に新しいが、銃規制の緩い州ではそうした傾向が強い。
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