イギリスの研究機関「アルコール研究所」が10月発表した論文(“Like sugar for adults”)によると、親の少量の飲酒でも子ども達は親の変化を感じ取り少なからずその影響を受けるのだという。研究所は情報を共有するよう喚起し、保健省はガイドライン見直しなど今後の対策を検討しているという。
10月18日付英国
『BBC』は「ほろ酔い程度でも、親の飲酒は子ども達に影響」との見出しで以下のように報道している。
「英国の「アルコール研究所(IAS)」は、大量の飲酒でなくても子ども達は親の影響を受けるという研究結果を発表。研究所は親への注意を喚起している。
約1000人の親子を対象とした調査では、10人に3人が「子どもの前で飲酒」、50%は「ほろ酔い程度の少量の飲酒習慣」がある。...
全部読む
10月18日付英国
『BBC』は「ほろ酔い程度でも、親の飲酒は子ども達に影響」との見出しで以下のように報道している。
「英国の「アルコール研究所(IAS)」は、大量の飲酒でなくても子ども達は親の影響を受けるという研究結果を発表。研究所は親への注意を喚起している。
約1000人の親子を対象とした調査では、10人に3人が「子どもの前で飲酒」、50%は「ほろ酔い程度の少量の飲酒習慣」がある。29%が「子どもの前で飲酒」、51%は「少量の飲酒」。29%は「頻繁でなければ子どもの前で酔うのは問題ない」と回答した。
対象の子どもについては、18%が親の飲酒により“いらいらした”と回答。11%が“不安や心配”を感じ、15%が“寝る時間に影響(不規則になった)”と回答した。また、7%は“飲酒後の親との言い争いが増えた”と回答、15%が“親に飲酒を減らしてほしいと頼んだ”のだという。目の前で飲酒された子どもは親の真似をしたくないと考える割合が高かった。
研究所の所長は「研究結果を広く受け止め、どう子ども達を守るか考えることが重要」と指摘。
研究を立ち上げた英カロライン・フリント議員は、「少量の飲酒は害の無いものと軽視しがちだが、大酒飲みでなくとも子どもは親の態度の変化に気づき、何らかの問題がある事が研究により判明した。親たちや専門家を交え更に広い議論を重ねたい」と述べている。
「アルコールと家族アライアンス(AFA)」のエバンズ氏は、「我々はアルコールを受け入れる文化に住んでいる。
研究が親への一助となり、飲酒問題を未然に防ぐのに役立てばよい」と述べている。飲酒問題解決にとりくむスコットランドの団体も、容易に手に入るアルコールから子どもや家族を守る取り組みの必要性を訴えている。」
同日付英国『ガーディアン』は「適量の飲酒でも子ども達に影響するとの研究」との見出しで以下のように報道している。
「英国の親子997人を対象とした研究により、子どもの前での少量の飲酒(政府のガイドラインに沿った週に14杯未満)でも悪影響があると実証されたのは初めて。親の飲酒への注意と、適切な飲酒習慣に関して政府の公的諮問機関の助言を見直すことを喚起するものとなる。
「アルコール研究所(IAS)」の所長キャサリン・ブラウンは、「夕食時にグラスに1,2杯のワインでも子どもへの影響を考え、影響を減らすよう考慮する必要がある。」と述べている。
保健省は親の飲酒習慣による子どもへの影響は知られいたが、対策を検討中だとしており、同省の報道官は「誰もが大人の飲酒の楽しみに介入はしたくないものだが、飲酒に関し正しい選択ができるよう、主な医療機関のガイドラインを通して情報を発信する義務はある。」としており、家族や子どもを含む弱者に焦点をあてたアルコール被害の問題への対処法にも取り組む姿勢であるという。」
閉じる