イラク国営テレビによると、イラク軍はキルクークにある複数の油田や空港、州の行政庁舎等を制圧したとのことである。
今回の衝突による死傷者等は明らかにされていない。
キルクークは、豊富な原油・天然ガス等の資源に恵まれた地域で、イラク政府軍が2014年にイスラム国からの攻撃により撤退した後、クルド人治安部隊である「ペシュメルガ」がイスラム国から奪還した地である。
9月26日に実施されたクルド人自治区での住民投票により、約93%の住民がイラクからの独立を支持し、イラクとクルド人自治区との間で、緊張が高まっていた。...
全部読む
イラク国営テレビによると、イラク軍はキルクークにある複数の油田や空港、州の行政庁舎等を制圧したとのことである。
今回の衝突による死傷者等は明らかにされていない。
キルクークは、豊富な原油・天然ガス等の資源に恵まれた地域で、イラク政府軍が2014年にイスラム国からの攻撃により撤退した後、クルド人治安部隊である「ペシュメルガ」がイスラム国から奪還した地である。
9月26日に実施されたクルド人自治区での住民投票により、約93%の住民がイラクからの独立を支持し、イラクとクルド人自治区との間で、緊張が高まっていた。
クルド人は、トルコ、シリア、イラン、イラクの広い地域に亘って居住しており、人口約3700万人と中東地域で4番目に人口の多い民族であるが、独自の国土を有してなく、自身の国土を持つことを強く望んでいる。
イラクのアバディ首相は、「住民投票で生じた分断の危機に直面しており、国家の団結を守るのは、憲法上の義務である。」と正当性を強調した。
また、今回のイラクの軍事行為を、国境を接しているトルコとイランは支持している。
一方、シリアでのイスラム国掃討作戦において、クルド人部隊と協力して戦っている米国は、中立の立場を取っている。
トランプ大統領は、「米国は、イラク、クルド人政府のどちらとも良好な関係にある。米国は、一方に肩入れしない。」と述べるに留めた。
閉じる