GMの自動運転部門であるクルーズ・オートメーションは、米カリフォルニア州の規制当局に対し、9月に同州で6件の衝突事故を起こしたことを報告したと、ロイター通信が4日に報じている。いずれも自動運転車側には責任はなく、人身事故や重大な物損事故にはならなかった。
しかしこれらの事故によって、自動運転車の開発に当たり、混雑した都市部の道路での走行については課題があることが明らかになった。また、全ての交通法規を遵守する自動運転車が、少し注意の足りない人間のドライバーと、道路上で共存することの難しさが示された。
カリフォルニア州法では、自動運転車が絡む全ての事故は、その程度に関係なく、報告を求められる。2017年には、GMの自動運転車は合計13件の衝突事故を当局に報告している。...
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しかしこれらの事故によって、自動運転車の開発に当たり、混雑した都市部の道路での走行については課題があることが明らかになった。また、全ての交通法規を遵守する自動運転車が、少し注意の足りない人間のドライバーと、道路上で共存することの難しさが示された。
カリフォルニア州法では、自動運転車が絡む全ての事故は、その程度に関係なく、報告を求められる。2017年には、GMの自動運転車は合計13件の衝突事故を当局に報告している。ちなみに競合する米アルファベット傘下で自動運転技術を手掛けるウェイモは、3件の事故を起こした。クルーズ・オートメーション社の広報担当であるレベッカ・マーク氏は、GM自動運転車の「今年のすべての事故は、他の車両が原因だ。」と説明している。
GM車の衝突事故の殆どは、一時停止の標識や歩行者等のために減速しているところに、他の車両が衝突する形で起きている。例えば、他車のドライバーが携帯電話で話していて、停車中のGM車に追突した事故、酒に酔ったサイクリストがGM車のバンパーにぶつかり、センサーを引っかけて小さな損傷を起こした事故等がある。また、サンフランシスコで9月15日に発生した事故では、左折レーンにいた他車がGM車を無理やり追い越そうとしてセンサーをこすり、止まらずにそのまま逃走したという。
この3カ月でクルーズ社は、カリフォルニア州の道路で自動運転のテスト走行を行う車両の数を以前の3-40台から100台へと約3倍に増やした。自動運転車を完全に導くソフトウェアの開発を加速するため、サンフランシスコでのテストを行っていくとしている。投資家はGMの開発状況を見守っており、同社が向こう1-2年の間に自動運転のタクシーを投入する可能性があると言われていることもあって、GM株はこの1カ月、期待も込めて17%も上昇した。
米国の議会上院の委員会は4日、自動運転車のテスト走行の実施範囲を大きく拡大することを認める法律を承認した。しかし、自動車メーカーに自由度を与え過ぎるとして、その提案に反対している団体もある。
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