スティーブン・バノン氏は今年8月半ば、トランプ政権内で深刻な対立を招いたこと等を理由に、突然大統領首席戦略官を解任された。同氏は、元々白人至上主義的な視点で報じるニュースサイト
『ブライトバート』の主宰者であり、更迭後すぐさま同ニュースサイトの会長に復帰した。そして同氏は、自由な立場となった今から(自身の主義・主張に)反対するものは徹底的に潰す、と物騒な発言をしている。そういった背景もあってか、彼の行動・発言は依然中国等、トランプ政権から厳しい目を向けられている国々では重く受け止められている模様である。
9月22日付
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「バノン氏、依然中国やアラブ首長国連邦では影響力大」
トランプ政権の大統領首席戦略官だったスティーブン・バノン氏は先週(編注;9月11日の週)、中国とアラブ首長国連邦を歴訪し、依然その存在感を現している。
数週間前(編注;8月18日)にホワイトハウスを追われていたバノン氏が9月中旬、中国の王岐山(ワン・チーシャン)共産党中央規律検査委員会書記(委員長に相当)及びアラブ首長国連邦構成国のひとつであるアブダビ首長国のムハンマド・ビン・ザーイド・アール=ナヒヤーン王子と面談していた。...
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9月22日付
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「バノン氏、依然中国やアラブ首長国連邦では影響力大」
トランプ政権の大統領首席戦略官だったスティーブン・バノン氏は先週(編注;9月11日の週)、中国とアラブ首長国連邦を歴訪し、依然その存在感を現している。
数週間前(編注;8月18日)にホワイトハウスを追われていたバノン氏が9月中旬、中国の王岐山(ワン・チーシャン)共産党中央規律検査委員会書記(委員長に相当)及びアラブ首長国連邦構成国のひとつであるアブダビ首長国のムハンマド・ビン・ザーイド・アール=ナヒヤーン王子と面談していた。
かかる事実から、同氏は依然トランプ大統領とのコンタクトが継続していることを意味しよう。何故なら、そうでなくば、中国やアラブの首長級がわざわざ面談するはずもないからである。
9月21日付英メディア『フィナンシャル・タイムズ』紙によると、米金融大手のゴールドマン・サックス元社長のジョン・ソーントン氏(現在、北京の清華大学で教鞭)の手配によって、バノン氏と王書記との会談が設定されたという。
トランプ政権は目下、中国との不平等貿易の是正、すなわち貿易赤字250億ドル(約2兆7,500億円)の大幅削減に向けて厳しい対応を取りつつある。
また、中東についても、カタールとサウジアラビア・アラブ首長国連邦間の国交断絶問題について、9月初めにトランプ大統領による仲立ちが失敗に終わったばかりである。
9月23日付『ニューズウィーク』誌:「スティーブ・バノン氏の極秘訪中の理由は?」
『フィナンシャル・タイムズ』紙報道によると、元大統領首席戦略官のスティーブ・バノン氏は先週(編注;9月11日の週)、米国が不平等貿易の槍玉に上げている中国を訪問し、共産党幹部の一人である王書記と90分間も極秘裏に面談していたという。
なお、バノン氏は訪中前に、香港で開催された、中国投資銀行主催の投資家集会において、米国との貿易戦争を望まないなら、中国は可及的速やかに米国向け安売り攻勢を止めるべきである、との演説を行っていた。
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