<糖尿病>
厚生労働省の2016年「国民健康・栄養調査」の結果、国内の糖尿病有病者が推計で1,000万人(全人口1億2,700万人の7.9%)に上っているという。同調査を開始した1997年時の690万人(同1億2,600万人の5.5%)から1.4倍余りにまで増えている。
小児まで発症のリスクのある1型糖尿病(注1後記)に比べて、生活習慣病の延長線上にある2型糖尿病(注2後記)発症者の増加が原因とみられる。...
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<糖尿病>
厚生労働省の2016年「国民健康・栄養調査」の結果、国内の糖尿病有病者が推計で1,000万人(全人口1億2,700万人の7.9%)に上っているという。同調査を開始した1997年時の690万人(同1億2,600万人の5.5%)から1.4倍余りにまで増えている。
小児まで発症のリスクのある1型糖尿病(注1後記)に比べて、生活習慣病の延長線上にある2型糖尿病(注2後記)発症者の増加が原因とみられる。
すなわち、厚労省は、加齢によってインスリンの分泌が減少する高齢層の増加、また、運動不足や栄養の偏りによる生活習慣病にかかる若年層が増えているためと分析している。
なお、糖尿病は放置すると、網膜症や腎症などの合併症のほか、脳梗塞や心筋梗塞などの原因にもなるが、今回の調査で有病者のうち、23.4%は治療を受けていなかったという。
一方、世界保健機関(WHO)の2015年データによると、2014年の世界の糖尿病有病者数は4億2,200万人(総人口71億人の5.9%)と、1980年時の1億800万人(同40億人の2.7%)から4倍近くに増えている。
そして、糖尿病が原因となり死亡する人の数は年間500万人にも上るという。
また、国際糖尿病連合(IDF)の2015年データによると、糖尿病有病者数の国別内訳は次のとおり、人口ランキングのトップ3でその半分近くを占めている。
①中国 1億960万人(全人口13億8,300万人の7.9%)
②インド 6,920万人(同 13億900万人の5.3%)
③米国 2,930万人(同 3億2,300万人の9.1%)
ただ、かつての「糖尿病は豊かな先進国の病」というイメージと異なり、現在では、糖尿病有病者の4分の3は低・中所得の国に集中しているという。
少しずつながら、食料等十分な栄養が行き届いていることに対する皮肉な結果と言えなくもない。
そこで、前期高齢者の仲間入りしている筆者としても、糖尿病予備軍に入れられないよう、もう少し毎日の運動量を増やし、余計な医療費をかける事態とならないよう努めたい。
(注1)1型糖尿病:膵臓のインスリンを出す細胞(β細胞)が壊されてしまう病気。治療のため、常にインスリン注射が必要。世界的には糖尿病全体の約5%が1型糖尿病と言われている。若年層を中心に幅広い年齢で発症。
(注2)2型糖尿病:遺伝的に糖尿病になりやすい人が、肥満・運動不足・ストレスなどをきっかけに発病。インスリンの効果が出にくくなったり、分泌のタイミングが悪くなる。
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