独自動車大手のダイムラーは21日、米アラバマ州タスカルーサ工場で、2020年代初めにも新型の電気自動車(EV)の生産を行うことを発表した。10億ドル(約1,120億円)を投資して生産体制を構築し、600人分の新たな雇用創出を見込んでいる。
タスカルーサ工場では、SUV(スポーツ用多目的車)のEVモデルを、高級車メルセデスベンツが立ち上げた新しいEV専用ブランドである「EQ」のサブブランドで量産する。「EQ」は先にフランクフルトのモーターショーで明らかにした同社の小型EVのコンセプト「EQA」で示されたものである。
1,000エーカー(約400万平方メートル)の敷地を持つ同工場では、現在3,700人が常時勤務しており、この他にも7,000人分の雇用が提供されているという。...
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タスカルーサ工場では、SUV(スポーツ用多目的車)のEVモデルを、高級車メルセデスベンツが立ち上げた新しいEV専用ブランドである「EQ」のサブブランドで量産する。「EQ」は先にフランクフルトのモーターショーで明らかにした同社の小型EVのコンセプト「EQA」で示されたものである。
1,000エーカー(約400万平方メートル)の敷地を持つ同工場では、現在3,700人が常時勤務しており、この他にも7,000人分の雇用が提供されているという。北米用メルセデスベンツCクラスセダンの他、GLE、GLS、GLEクーペ等の売れ筋モデルを製造している。ダイムラーは、米国での生産については、消費者の長距離ドライブの需要を取り込み、小型車から大型車まで利幅の大きいSUVやクロスオーバー車に力点を置いている会社の1つだ。
ダイムラーは先に、北京のEVとバッテリーの工場建設に7億3,500万ドル(約823億円)を投資する計画を発表したが、これと同様に米国でも、自動車組み立て工場の近くにバッテリー工場を建設予定である。建設は来年から始まり、新型EVの生産時期に間に合わせる。「EVとバッテリーの生産拠点を欧州、中国、そして米国にも持つことによって、我々のグローバル・ネットワークは、EV時代に対応準備を完了することとなる。」と、メルセデスベンツ生産部門長のマルクス・シェーファー氏は、米国もEVの供給網に組み込み、3極体制を整えていくことを説明した。
ダイムラーは併せて、新たなグローバル・ロジスティクス・センターと北米のアフターサービスの拠点を、タスカルーサ工場から8㎞ほどの距離にある、アラバマ州のビブ郡に建設することも明らかにしている。
同社は自動運転機能のあるEVや、スマートフォン・アプリによるカーシェアといった新しい移動手段等、未来の自動車関連技術に投資を加速している。同社は2022年までに新たに10車種以上を投入し、全車種にハイブリッド車を含む電気化モデルを加えていく計画であり、最初のEQブランドのEQCは、2019年にドイツのブレーメン工場で生産を開始する予定である。
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