テリーザ・メイ英首相は20日、ニューヨークの国連総会で演説し、国連が必要な改革をしなければ、英国の分担金9,000万ポンド(約137億円)の内、30%までの支払いを止める可能性があると強く警告した。
メイ首相はその演説で、国連の目的の崇高さと、実際にもたらされる効力との間にはギャップがあると各国の代表団に語った。英国が9,000万ポンド満額の拠出をするためには、国連の機関が効果的で透明性を持ったものであることを示す必要があると述べ、「我々の信頼を勝ち取る」ようにと促した。
トランプ米大統領も先に、国連の改革がなければ分担金を支払わないと警告している。国連は官僚主義とマネジメントの失敗により、その潜在的な力を十分に発揮していないとして、総会での演説では「官僚主義より人に注力して」取り組むべきであると強調した。...
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メイ首相はその演説で、国連の目的の崇高さと、実際にもたらされる効力との間にはギャップがあると各国の代表団に語った。英国が9,000万ポンド満額の拠出をするためには、国連の機関が効果的で透明性を持ったものであることを示す必要があると述べ、「我々の信頼を勝ち取る」ようにと促した。
トランプ米大統領も先に、国連の改革がなければ分担金を支払わないと警告している。国連は官僚主義とマネジメントの失敗により、その潜在的な力を十分に発揮していないとして、総会での演説では「官僚主義より人に注力して」取り組むべきであると強調した。
これに対し、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、「より素早く、透明性を持ち、結束して」事に当たれるよう改革していくことを約束した。国連関係者はその意味を、国連が別組織を立ち上げて個別に活動するのではなく、より相互に協力する態勢を作ることだとしている。また、国連はその支出についてより透明性を持ち、異なる機関の間で予算の取り合いができるだけ起きないようにすべきであると説明している。
メイ首相は国連総会での演説で、国連は「21世紀の諸課題に立ち向かう我々を支援することにその価値を示すべき」と述べ、「もしわれわれが構築したこのシステムが、今の時代の課題にもはや適合できないことが判明すれば、多国間主義や国際協力に対する信用の危機を招き、全ての国民の利益を損なうことになる。」と警告した。
英国メディアによれば、分担金は国連全体について削減するのではなく、英国が十分に機能していないと考える幾つかの機関から吸い上げることになり、ユニセフ(国際児童基金)や世界食糧計画などは問題ないが、開発機関のようなものが対象になるという。
メイ首相は演説でその他に、地球温暖化に関するパリ協定の重要性を強調した。またテクノロジー関連企業に対し、そのサイトから過激主義のコンテンツを削除する取り組みを一層、そして早く推進するよう改めて警告した。首相はSNSや検索エンジンを提供する各社に対し、テロリストにとって安全なデジタル空間を提供しないよう要求している。
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