米国の研究団体などが、フロリダ州にあるトランプ米大統領の別荘「マールアラーゴ(Mar-a-Lago)」の訪問者リストの開示を求めて訴訟を起こしているが、政府は情報を出し渋っていると米メディアが報じている。
これらの団体は4月、大統領がしばしば「冬のホワイトハウス」と呼ぶ別荘において、誰の影響により政策形成をしているかを国民は知る権利があるとして、ニューヨーク連邦地裁に訴訟を提起した。裁判所は7月、調査・開示をするよう命じる決定を下し、これを受けて大統領の警護を担当するシークレットサービスが属する国土安全保障省が、9月に開示を行うと約束していた。
トランプ大統領は、今年7回マールアラーゴで過ごしており、当然かなり多くの人物の名前が開示されると考えられていたが、政府が15日に明らかにしたのは、2月に訪問した安倍首相他の日本の外交団22名の名前だけだった。...
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これらの団体は4月、大統領がしばしば「冬のホワイトハウス」と呼ぶ別荘において、誰の影響により政策形成をしているかを国民は知る権利があるとして、ニューヨーク連邦地裁に訴訟を提起した。裁判所は7月、調査・開示をするよう命じる決定を下し、これを受けて大統領の警護を担当するシークレットサービスが属する国土安全保障省が、9月に開示を行うと約束していた。
トランプ大統領は、今年7回マールアラーゴで過ごしており、当然かなり多くの人物の名前が開示されると考えられていたが、政府が15日に明らかにしたのは、2月に訪問した安倍首相他の日本の外交団22名の名前だけだった。司法省はこの他については大統領のスケジュールに関係するものであり、それらは情報公開法の対象外であるとしている。同法は確かにホワイトハウスを対象外としているものの、訪問者記録は国土安全保障省のシークレットサービスが保管しており、全て対象となるというのが団体の従来からの主張だ。
情報公開を求めてきた団体の1つであるCREW(Citizens for Responsibility and Ethics)は、何カ月も待ったリストが日本の首相一行の22名だけであることに失望し、強く反対する旨の声明を発表した。「政府はさらに情報を開示する必要がないと思っているが、我々は強く反対する。」として、さらに裁判所で争う意向を明らかにしている。
彼らはまた、ホワイトハウスやニューヨークのトランプタワーの訪問者についても情報公開を求めている。政府側はトランプタワーには訪問者の記録はなく、ホワイトハウスの訪問者のリストは公開しないと回答した。ある政府高官はプライバシーの問題や、国の安全保障上の懸念を挙げ、記録の開示が政策形成への干渉をもたらす可能性を指摘した。オバマ前政権下では、ホワイトハウスの訪問者リストを2009年の9月以降公開していたが、CREWによる4訴訟を受けてのものである。トランプ政権発足後は非公開となった。
トランプ大統領は、就任から5月中旬までに25日マールアラーゴに滞在している。米メディアは15日、少なくとも1,092ドル(約12万円)の税金がこれに使われたと報じた。市民団体による情報公開要求に応えて明らかになった、3月に2泊した時の金額である。
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