<大学の国際競争力(2)>
8月16日付
当コラムNo.128「大学の国際競争力」の中で、次のように言及した。
すなわち、英国タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THI、注1後記)発行の「世界大学世評ランキング2017」(注2後記)では、日本の大学の世評はいたって芳しい…
・トップ10:米国8大学、英国2大学
・トップ100:日本6大学(全体11位東大、25位京大、51~60位大阪大、61~70位東北大、71~80位東京工大、91~100位名古屋大)、中国6大学、シンガポール2大学、韓国3大学。...
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<大学の国際競争力(2)>
8月16日付
当コラムNo.128「大学の国際競争力」の中で、次のように言及した。
すなわち、英国タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THI、注1後記)発行の「世界大学世評ランキング2017」(注2後記)では、日本の大学の世評はいたって芳しい…
・トップ10:米国8大学、英国2大学
・トップ100:日本6大学(全体11位東大、25位京大、51~60位大阪大、61~70位東北大、71~80位東京工大、91~100位名古屋大)、中国6大学、シンガポール2大学、韓国3大学。
しかし、9月初めにTHIが発行した「世界大学ランキング2018」(注3後記)では、相変わらずトップ200以内には、東大(全体の46位、前年39位)、京大(同74位、同91位)の2校しかランクインしていない。
一方、アジア他国の躍進はすさまじい。
・トップ30:シンガポール国立大(全体22位)、北京大(同27位)、精華大(同30位)とアジアから初めて3校がランクイン。
・中国:トップ200に7校ランクイン(前年は4校)
・香港:トップ200に5校ランクイン
・韓国:トップ200に4校ランクイン
THIのフィル・ベイティ編集長によれば、中国・香港・シンガポールの一流大学は、高い継続的な研究資金のお蔭で順位を上げているが、東大の落ち込みは資金源の不足等が考えられるとする。
なお、今回トップ10には米国7校、英国3校、スイス1校(10位が同点のため計11校)がランクインしているが、1位オックスフォード大(2年連続)、2位ケンブリッジ大(前年4位)と、英国の大学が初めてトップ2を占めている。
但し、BREXIT(英国のEU離脱)以降、将来的に国際競争力を維持する上で逆風とならないか予断は許さないとみられる。
また、米国においても、トランプ政権下、研究資金の削減等が現実的になってきており、今後の競争力へ何がしかの影響が及ぶものと考えられる。
日本の各大学に、資金源の多様性確保含めて、大いに発奮してもらいたいと願う。
(注1)THI:英国の教育専門誌で、タイムズ紙から独立して2004年以降毎年世界大学ランキングを発表。
(注2)世界大学世評ランキング:世界137ヵ国の著名研究者に対して、①大学の世評、②大学の認知度、等についてアンケートを実施。2017年版では、合計10,566件の回答を基に評価。
(注3)世界大学ランキング:世界77ヵ国・地域の上位1,000校について、①Teaching(教育-学習環境)、②International Outlook(国際的な見通し-教育陣と学生の質)、③Industry Income(産業へ与える利益-革新性)、④Research(研究-ボリューム・収益性・評価)、⑤Citations(論文の引用度合い)を査定した結果で表す、真の大学競争力の指標。
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