トランプ米大統領が家族以外で最も信頼している人物の1人であるキース・シラー氏がまもなく辞職してホワイトハウスを去る。シラー氏はトランプ大統領の元ボディガードで、今回民間のセキュリティビジネスの仕事に転出するが、最近相次いでいるホワイトハウスのスタッフの離脱の内、トランプ大統領にとって最もダメージが大きいと側近らは懸念している。複数の米国メディアが報じた。
シラー氏の収入は、政府での年収16万5,000ドル(約1,800万円)より高くなると事情に詳しい関係者が明かしている。現在の役職名は、大統領執務室の業務担当のディレクターとなっているが、トランプ大統領がいかに同氏に信頼を寄せているかが全く表現されていない。しばしば混乱していると表現されるホワイトハウスで、シラー氏はトランプ大統領の心の支えであり、同氏の辞職には相当落ち込んでいるということだ。
シラー氏は海軍とニューヨーク市の警察官を経験した後、1999年にトランプ氏のパートタイムのボディガードとなり、2004年にセキュリティ関連のリーダーに任命された。...
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シラー氏の収入は、政府での年収16万5,000ドル(約1,800万円)より高くなると事情に詳しい関係者が明かしている。現在の役職名は、大統領執務室の業務担当のディレクターとなっているが、トランプ大統領がいかに同氏に信頼を寄せているかが全く表現されていない。しばしば混乱していると表現されるホワイトハウスで、シラー氏はトランプ大統領の心の支えであり、同氏の辞職には相当落ち込んでいるということだ。
シラー氏は海軍とニューヨーク市の警察官を経験した後、1999年にトランプ氏のパートタイムのボディガードとなり、2004年にセキュリティ関連のリーダーに任命された。トランプ氏のためにほぼ20年働いてきたが、ホワイトハウスでは大統領を守り、執務室の門番のような役割を果たしてきた。また大統領の片腕として行動しており、前FBI長官のジェームズ・コミー氏に、大統領の解任の意思を伝えたのもシラー氏である。
7月にジョン・ケリー氏が大統領首席補佐官に任命されたが、これによりシラー氏の退職は早まったのかも知れない。ケリー氏は就任以来、大統領執務室へのアクセスを厳しくし、大統領に流れる情報を制限して、ホワイトハウスに事務的に整った体制を導入した。こうしてシラー氏も執務室にいつでも入れる特権を失ったが、大統領が忠実な側近に囲まれているのを見慣れた同氏にとっては、モラールが下がることだったろう。大統領の近くには、シークレットサービスや必要な手伝いをする要員等、業務の全てをサポートするスタッフが揃い、シラー氏は自分の役割が重複していると思うようになった。
シラー氏が去った後には、トランプ大統領の全てを知る人物が側にいなくなり、大統領とケリー氏が衝突すると懸念する向きもある。またトランプ大統領の側近らは、シラー氏が持っていた個人的な繋がりについて心配をしている。同氏は大統領に会おうとする友人たちと間の窓口を務めていたからだ。残ったスタッフの内、大統領が真に心を許せる人物は、娘のイヴァンカ・トランプ氏とその夫のジャレッド・クッシュナー氏だけかも知れない。しかしシラー氏が持っていた役割は、誰も果たせそうにない。
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