台湾の野党、国民党は20日に20回目となる党大会を台中市で開催した。5月20日に新主席に選出された前副総統の呉敦義(Wu Den-yih)氏が正式に就任して演説を行い、台湾の独立に反対し、現状を維持していくことを柱の1つとした新政策綱領を採択した。台北タイムズ等が報じている。
大会では、2人の副主席、郝龍斌(Hau Lung-bin)氏と曾永權(Tseng Yung-chuan)氏もそれぞれ就任し、馬英九(Ma Ying-jeou)、洪秀注(Hung Hsiu-chu)元・前主席らの党の重鎮も姿を見せている。
呉主席は、蔡英文(Tsai Ing-wen)政権の対中政策を膠着状態と批判し、国民党は引き続き台湾の独立には強く反対し、1992年のコンセンサス(中台が「一つの中国」原則を確認しつつ、解釈はそれぞれに委ねるとした共通認識)を遵守すると述べた。...
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大会では、2人の副主席、郝龍斌(Hau Lung-bin)氏と曾永權(Tseng Yung-chuan)氏もそれぞれ就任し、馬英九(Ma Ying-jeou)、洪秀注(Hung Hsiu-chu)元・前主席らの党の重鎮も姿を見せている。
呉主席は、蔡英文(Tsai Ing-wen)政権の対中政策を膠着状態と批判し、国民党は引き続き台湾の独立には強く反対し、1992年のコンセンサス(中台が「一つの中国」原則を確認しつつ、解釈はそれぞれに委ねるとした共通認識)を遵守すると述べた。
また、中国の伝統と友好の文化を前進させ、中国本土と台湾の相互の敬意と寛容を推進するとして、地域の平和と安定を確保し、台湾人民の幸福を守ることを強調した。
呉主席の対中政策の基本方針は、国民党が保持してきた「1つの中国、2つの解釈」路線への回帰であり、統一に前向きだった洪秀柱前主席の親中路線を修正することとなる。これに対し、洪秀注前主席は、1992年のコンセンサスは「1つの中国」と統一の部分に重点があり、呉主席の新綱領は、「異なった解釈」の部分が強調されて、独立を宣言したと中国に受け取られる可能性があると早速批判している。
さらに呉主席は、昨年の総選挙で国民党が蔡総統の民主進歩党に大敗したことについて詫び、国民党の党勢回復と政権奪還に向けての決意を示した。そのために先ず、2020年の総統選の前哨戦となる来年の統一地方選挙での勝利を目指し、若い党員を獲得して育成し、若者による政治活動を支援していく等、若年層への働きかけを強めていくと述べた。また経済再生を約し、国民党員が首長を務める地方自治体の職員に対し、投資を促し、雇用を促進するために、地方でのビジネス環境の改善を要請した。
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