ベネズエラの警察当局は、西部のスリア州の動物公園から動物が盗まれた事件を捜査していると発表した。食用を目的として盗まれた可能性が高いとされており、慢性的な食糧不足に悩むベネズエラで、人々が飢えに苦しんでいる姿を映したものと捉えられている。ロイター通信他のメディアが報じた。
警察当局によれば、先週末、コロンビアとの国境に近い、ベネズエラ第2の都市マラカイボのスリア・メトロポリタン動物公園から2頭のクビワペッカリーが盗まれた。それはイノシシに似た動物で、国家警察の担当者であるモラレス氏が「侵入者は盗んだ動物を食料として売ったものと考える。」と15日に記者団に語っている。地域住民は食糧不足と戦っており、動物園は週末に何度か侵入され、動物を盗まれたという。
動物公園のヌネス園長は16日、10種の動物が盗まれたが、バッファローについては切り刻まれるなどされており、動物を売ろうとする麻薬ディーラーに指揮されたものとの見方を示した。...
全部読む
警察当局によれば、先週末、コロンビアとの国境に近い、ベネズエラ第2の都市マラカイボのスリア・メトロポリタン動物公園から2頭のクビワペッカリーが盗まれた。それはイノシシに似た動物で、国家警察の担当者であるモラレス氏が「侵入者は盗んだ動物を食料として売ったものと考える。」と15日に記者団に語っている。地域住民は食糧不足と戦っており、動物園は週末に何度か侵入され、動物を盗まれたという。
動物公園のヌネス園長は16日、10種の動物が盗まれたが、バッファローについては切り刻まれるなどされており、動物を売ろうとする麻薬ディーラーに指揮されたものとの見方を示した。「彼らはここで全てを持ち出していく。動物たちは食べるために盗まれたのではない。」と園長は16日のインタビューで語っている。今回2頭のバクも盗まれているが、国際自然保護連合により、絶滅の恐れのある動物に指定されている。
ベネズエラでは強権的なニコラス・マドゥロ大統領に対する反政府活動が頻発しており、政情不安が続いている。14日にトランプ米大統領は、軍事力をちらつかせて国民への抑圧を止めるよう迫り、マドゥロ大統領は26-27日に軍事演習を行うと返し、けん制した。
混乱の中で社会主義経済モデルが崩壊し、医薬品や食糧の慢性的な不足が続いており、貧しい人々が犠牲になっている。食料の略奪等の犯罪も急増しており、今後も治安の悪化は続きそうだ。人々の間には栄養失調が広がり、食べ物が見つかりそうなところであればどこでも多くの人が殺到し、中にはゴミ箱を漁るなどの光景も目にすることがあるという。
マドゥロ大統領は、食糧不足が起きたのは、街路やハイウェイを封鎖した政府批判勢力や、同国への制裁を行う米国の支援を受けた反対勢力のせいであるとして非難している。経済の悪化によるモノ不足はまた、動物園の動物の餌の不足ももたらしており、カラカス動物園では、昨年豚やバク、ウサギなど50頭以上の動物が餓死したという。ベネズエラ政府は、これについても、動物たちは家族のように愛情深く扱われていると主張し、飢えていることはないと否定している。
閉じる