米シカゴ市のラーム・エマニュエル市長は6日、米国連邦政府が不法移民に寛容な、いわゆる「聖域都市(sanctuary cities)」に対し、地元警察が連邦移民当局に協力しなければ治安関係の補助金の交付をしない、と警告していることは違法であるとして、訴訟を提起し、トランプ政権の移民政策と戦う姿勢を示した。
民主党のエマニュエル市長は記者会見で、シカゴは「我々の価値を変更するよう強要されることは決してなく、現在移民に寛容な都市であるが、今後ともそうあり続ける。」また「連邦政府は必要なリソースを供給し、治安を改善するために各都市と協働すべきであり、新しい仕組みを作って我々の犯罪と戦うためのリソースを削減すべきではない。」と語った。訴訟の目的はトランプ政権に補助金停止の前例を作らせないためとしている。
シカゴ市は、2つの外部弁護士事務所から無料奉仕で支援を受けており、訴訟は7日、シカゴ連邦裁に提起される予定。...
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民主党のエマニュエル市長は記者会見で、シカゴは「我々の価値を変更するよう強要されることは決してなく、現在移民に寛容な都市であるが、今後ともそうあり続ける。」また「連邦政府は必要なリソースを供給し、治安を改善するために各都市と協働すべきであり、新しい仕組みを作って我々の犯罪と戦うためのリソースを削減すべきではない。」と語った。訴訟の目的はトランプ政権に補助金停止の前例を作らせないためとしている。
シカゴ市は、2つの外部弁護士事務所から無料奉仕で支援を受けており、訴訟は7日、シカゴ連邦裁に提起される予定。同市は昨年約230万ドル(2億5,300万円)の補助金を受領しており、警察車両、SWAT(特別部隊)の装備、無線装置や銃の購入等に充てている。
セッションズ司法長官は7月下旬に、連邦の移民当局が各都市の刑務所に無制限に立ち入る権利を聖域都市が認めなければ、補助金を停止する方針を発表した。移民当局2017年度の補助金申請を9月5日に締め切るが、各都市や地元警察が移民当局と情報を共有することを求める、新しい資格要件を定めている。シカゴ市はそうした要件は違憲であると主張した。
司法省が対象としている他の聖域都市は、カリフォルニア、ミルウォーキーの両州や、ニューヨーク、ニューオーリンズ、フィラデルフィア、ラスベガス、マイアミ等の諸都市である。エマニュエル市長は、シカゴが新しい資格要件について訴訟を提起する最初の都市であると説明したが、これら他の自治体にも、戦うよう期待していると述べた。
司法省の報道官は、エマニュエル市長の声明に対するコメントを求められ、「2016年にシカゴで殺された人の数は、ニューヨークとロサンゼルスを合わせた数より多かった。だから市長が、外国人犯罪者の保護に時間と税金を費やし、シカゴの法執行機関をより大きなリスクに晒していることよりも、その膨大な死亡者数について関心が薄いのは、特に悲劇的なことだ。」とメールで応じている。
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