【Globali】
トランプ氏が対ロ制裁強化法案に署名(2017/08/03)
米国のトランプ大統領は、超党派が支持する対ロシア制裁強化法案に署名した。「ロシアゲート」の汚名を払しょくするべく、ロシアとの関係改善を目指しているトランプ氏だが、署名を余儀なくされたとみえ、いつもような署名パフォーマンスはなかった。この署名を受け、ロシアのメドベージェフ首相は全面的な通商戦争だと批判。クリミア併合による制裁で既に打撃を受けているロシアには更なる経済的ダメージが予想される。だがロシアメディアはトランプ氏が対ロ関係修復に動くだろうと期待を持っている。
8月2日付
『ロイター通信』は「トランプがロシア制裁法案に署名。これは通商戦争だとロシア」との見出しで以下のように報道している。
「ロシアへの制裁強化法案への署名で、ロシアは「トランプ政権との関係改善への望みが絶たれた。これは通商戦争だ」とした。
米国議会は先週、圧倒的多数で法案を可決。ロシアとの関係を修復したいトランプ大統領の意思とは異なる。この法案が同氏の外交の妨げとなると批判していたトランプ氏は大統領令署名のように派手なパフォーマンスなしにひっそりと法案に署名。...
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8月2日付
『ロイター通信』は「トランプがロシア制裁法案に署名。これは通商戦争だとロシア」との見出しで以下のように報道している。
「ロシアへの制裁強化法案への署名で、ロシアは「トランプ政権との関係改善への望みが絶たれた。これは通商戦争だ」とした。
米国議会は先週、圧倒的多数で法案を可決。ロシアとの関係を修復したいトランプ大統領の意思とは異なる。この法案が同氏の外交の妨げとなると批判していたトランプ氏は大統領令署名のように派手なパフォーマンスなしにひっそりと法案に署名。トランプ氏は自分はビジネス成功者として、外交を議会よりうまくやれる事を期待され大統領に選ばれたのだと主張している。制裁法案にはイラン、北朝鮮への追加制裁も含まれている。
共和党ライアン議長は法案を賞賛、ペロシ民主党幹部は政権が法に従うかが問われるとした。
ロシアに近いバルト海を訪問中のペンス副大統領は強気の姿勢を見せ、大統領の署名は「対ロシア政策で議会との一致した考えを示すもの」と述べた。一方、ティラーソン国務長官はこの法案には反対の意見である。
制裁はロシアの産業、経済に益々の打撃となる。EUもエネルギー供給安定への懸念から米国の制裁に怒りを示しており、米投資ロ企業やエネルギー開発プロジェクト、ロへ投資する外国企業への影響も懸念されている。」
8月3日付ロシア『スプートニク』は「トランプはロシア制裁案を呑んだが、関係修復の意思もある」との見出しで次の様に報道している。
「米超党派議会はロシア制裁法案への署名を迫ったものの、トランプ大統領には敵対関係を望んでおらずむしろ関係修復を急ぐだろう。トランプ氏は声明で国際問題で米ロ協調を望み、制裁はもう必要ないとした。一方、ロシアのメドベージェフ首相は、制裁法案はロシアとの通商戦争で新政権との関係修復は絶望的だと述べた。
制裁に関しジョージメイソン大学ロースクールの教授は、「トランプは超党派の政治的圧力に屈しなくてはならなかったのだが、早急に意外な行動で関係修復を模索していくだろう。ただ今はその機会がない」と述べている。またピッツバーグ大学国際関係の有識者は、「署名してしまった今は敵対姿勢を崩す機会は失われた。トランプはワシントンの政治からは常に一歩引いた存在。親ロシア政策はティラーソン長官のみが支持している。トランプ氏は本気でロシアとの関係を修復したいと思っているが、同氏の対ロシア、シリア異端路線について留意すべきは、論理的分析や米外交政策に基づいたものでないという点である。大統領職に就く前、トランプは米国のロシア、シリア外交政策の理論モデルを意識してこなかった。そのため予想不能で斬新な方法で取り組むだろうが、政治的には孤立するだろう。」と述べている。」
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