7月21日、スカラムッチ氏の報道部長就任に反対していたスパイサー前報道官が辞任し、7月28日、スカラムッチ氏と対立していたプリーバス前大統領首席補佐官が辞任したばかりであった。
米国のメディアによれば、今回のスカラムッチ報道部長の解任は、「トランプ大統領が、ケリー新大統領首席補佐官の要求で決断した。」と報じている。また、スカラムッチ報道部長は、「白紙の状態から、トランプ政権のチームを作るには、自らの辞任が最善だと感じた。...
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7月21日、スカラムッチ氏の報道部長就任に反対していたスパイサー前報道官が辞任し、7月28日、スカラムッチ氏と対立していたプリーバス前大統領首席補佐官が辞任したばかりであった。
米国のメディアによれば、今回のスカラムッチ報道部長の解任は、「トランプ大統領が、ケリー新大統領首席補佐官の要求で決断した。」と報じている。また、スカラムッチ報道部長は、「白紙の状態から、トランプ政権のチームを作るには、自らの辞任が最善だと感じた。」と述べている。
そもそも、就任したばかりあったスカラムッチ報道部長は、米誌ニューヨーカーのインタビューで、プリーバス大統領首席補佐官やバノン首席戦略官兼上級顧問を汚い言葉で非難するなどし、トランプ政権中枢の確執を表面化させた経緯がある。トランプ大統領に近い関係者は、「このことが、ホワイトハウス内でのスカラムッチ氏の立場を厳しいものにした。」と述べている。また、サンダース報道官は、スカラムッチ氏の言動が不適切であったことを認めた。
結果的に、トランプ大統領は、以前から不満に思っていたスパイサー氏とプリーバス氏を辞めさせる為に、クシュナー夫妻の同意のもと、投資家であり友人でもあるスカラムッチ氏を報道部長に起用したことになった。
今回、政権内部の混乱を収拾する為、トランプ大統領は、スカラムッチ氏を解任し、秩序を重んじる退役軍人であるケリー前国土安全保障長官を大統領首席補佐官に起用した。この人事は、トランプ政権内の秩序の回復を狙ったものと考えられる。ただし、政治経験が乏しいケリー大統領首席補佐官が、米議会との調整やロシア疑惑の対応等で十分な役割が果たせるかどうか未知数である。
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