米海軍の最新鋭の原子力空母“ジェラルド・R・フォード”が、新型空母としては42年振りに就役した。就役式にはドナルド・トランプ大統領も出席したが、米メディアが、同空母がジェンダー・フリーのトイレを採用していることを報じれば、中国やロシアメディアは、欠陥部やテスト不十分な新型設備等の追加工事がまだ必要で、本格的に実戦配備できるのは4年後で、また、総工費は当初予算の3割増しになっていると伝えている。
7月24日付米
『ニューヨーク・デイリィ・ニュース』紙:「米海軍新型空母には男性用便器なし」
今回就役した新型空母“ジェラルド・R・フォード”は、米海軍として初めてジェンダー・フリーのトイレを採用している。米海軍1等電気技師のカイリー・モーツェンボッカー航海士は、本船が性別のトイレ方式になっていないことから、柔軟に対応できる形になっていると語った。
本船に命名されたフォード大統領(当時)が就任時の1976年、米海軍で初めて女性乗組員が採用された(1,300人の応募兵のうち81人、丁度6%)。...
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7月24日付米
『ニューヨーク・デイリィ・ニュース』紙:「米海軍新型空母には男性用便器なし」
今回就役した新型空母“ジェラルド・R・フォード”は、米海軍として初めてジェンダー・フリーのトイレを採用している。米海軍1等電気技師のカイリー・モーツェンボッカー航海士は、本船が性別のトイレ方式になっていないことから、柔軟に対応できる形になっていると語った。
本船に命名されたフォード大統領(当時)が就任時の1976年、米海軍で初めて女性乗組員が採用された(1,300人の応募兵のうち81人、丁度6%)。現在は、米海軍全体で女性は18%だが、艦隊平均では24%にも上る。
同日付英『ザ・サン』紙:「130億ドルかかったとされる米海軍新型空母“ジェラルド・フォード”は、大海における“最強の艦艇”」
8年掛けて建造され、7月22日に就役した米海軍新型空母“ジェラルド・フォード”は、艦載機を75機搭載でき、計算上1日に220回(6分に1回の割合)の空爆が可能となる、大海における“最強の艦艇”であるとされる。
史上最高の100億ポンド(130億ドル、約1兆4,300億円)かかったとされる同空母は、最新鋭のレーダーや、艦載機の離発着設備が高度化され、また、省力化が進んでいて、従来のニミッツ級空母に比べて、乗組員が600人も少ない2,600人の体制である。
なお、2009年に建造が始められた当時の予算は100億ドル(約1兆1,000億円)であったが、2015年9月の完工予定から1年半以上も遅れた上、総工費も130億ドルに膨れ上がっている。
同日付ロシア『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「米海軍最新鋭空母は32ヵ月遅れの就役で、しかも実戦配備可能になるのは更に4年後」
米海軍は7月22日、従来型空母就役以来四十数年振りに、最新鋭空母“ジェラルド・R・フォード”が就役したと発表した。
しかし、総工費は129億ドルと当初予算より24億ドル(約2,640億円)も超過すると見られる上に、米連邦政府監査院の発表では、不具合部やテスト不十分な最新設備の追加検査費用等で、更に7億8,000万ドル(約860億円)かかると予測している。
なお、米国防総省は、従来型より3割も多くの艦載機を搭載可能な、このフォード級原子力空母をあと2隻(“ジョン・F・ケネディ”及び“エンタープライズ”)、430億ドル(約4兆7,300億円)掛けて建造する計画である。
7月23日付中国『環球時報』(『新華社通信』配信):「トランプ大統領が国防費増額を宣言する中、次世代型最新鋭空母が就役」
7月22日にノーフォーク(バージニア州)海軍基地で行われた、次世代型最新鋭原子力空母“ジェラルド・R・フォード”の就役式には、トランプ大統領の他、ジェームズ・マティス国防長官、ドナルド・ラムズフェルド前長官、テリー・マッコーリフ州知事ら、多くの政府高官・軍幹部が列席した。
同式典でトランプ大統領は、前政権が推進した国防費削減政策を非難し、来年度の国防予算について、目下議会に対して540億ドル(約5兆9,400億円)の増額を求めているとぶち上げた。
しかし、同大統領は今年の5月、建造費に130億ドル掛かった最新鋭空母に、数百万ドル(数億円)も余計にかかる電磁式カタパルト(艦載機射出機)が採用されていることを批判し、従来型の蒸気式に戻すべきだと要求していた。
なお、米議会の監査院は、同空母の新型諸設備の追加試験や検査等に更に4年掛かり、追加コストが7億8,000万ドル発生すると予測している。
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