7月22日の東京電力の発表によれば、この大量の固体化した溶岩状の岩石と塊は層になって3号機の下で発見された。固体化したこの物体は、容器から落ちた溶融金属と燃料の混合物である可能性が高く、いくつかの物体は、炉心を保持する原子炉の圧力容器の底部に取り付けられた制御棒機構の周りに黒い氷柱のようにぶら下がっているように見えた。核燃料の残骸をさらに分析するにはより多くの時間が必要だとしている。同社では今夏中に溶融した核燃料を除去する方法の決定を目指し、2019年3月期までに最初の作業手順を確認し、2021年中に溶融した核燃料の除去を開始する予定だ。
もしこれが溶融核燃料であると確認されれば、福島第一原子力発電所の事故に伴う廃炉作業において大きな一歩となる。損傷した原子炉の各部品は依然として放射線で高度に汚染されており、ロボットは廃炉作業の重要な部分を担っている。2016年12月の経済産業省の見積もりによれば、廃炉費用は8兆円(7200億ドル)が見込まれ、核燃料の除去には40年かかり、損傷した原子炉にある燃料の残骸の位置を特定することは、廃炉作業の中で最も重要な部分の1つだ。圧力容器に入っていた燃料棒の集合体は、6年前の津波後に燃えて溶け底に堆積した。台の壁の近くでは溶けて再凝固したような塊や、圧力容器を支えるコンクリートの構造物も撮影された。
今回の調査結果は東芝製の「小さなマンボウ」と呼ばれる浸水した原子炉内で泳ぐことができ遠隔操作可能な30センチ立方の小さな水中ロボットを使用して3日間行われた。東京電力は、1月に2号機でも溶融燃料であると推測される黒い残骸に見える写真を撮ったが、2月に東芝が設計した別のロボットによる追加調査では、原子炉内の核溶融燃料の残骸が滞留している場所を確認することができなかった。日立GE核燃料株式会社が開発したロボットも3月に1号機の探査を行ったが、溶融した核燃料を見つけられなかった。
福島原子力発電所は2011年の地震で津波に襲われ、旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所事故以来最も深刻な事故となり、浸水後に3基の原子炉が故障したことで原子力による汚染の懸念から、20万人以上が自宅から非難することを余儀なくされた。この地震では大規模な津波が起こり、18,500人以上が死亡、または行方不明となった。福島原発の事故では誰も直接死亡しなかったが、東京電力の3人の元幹部は現在過失致死罪で裁判を受けている。
閉じる