7月12日の『MarketWatch』、『Reuters』、7月13日の『hindustantimes』は、南極大陸から分離した巨大な氷山について以下の通り報じている。科学者により観察下にあった米デラウェア州やインドネシアのバリ島並みの広さの巨大な氷山が、南極大陸にある半島の氷棚から分離して現在ウェッデル海を漂流している。この氷山はA68と命名される予定だ。

スォンジー大学のミダス・プロジェクトの研究チームは、NASAのアクアモディスと呼ばれる衛星計測器の画像を引用して、ラーセン Cの氷棚から、5,800平方kmで1兆トンの氷山が7月10日から12日にかけて分離したと報告した。科学者たちは10年以上にわたりラーセン Cの氷棚の亀裂を追跡しており、数ヶ月前から崩壊が始まり、6月にはこの亀裂を糸でぶら下がっている状態だと警告していた。

今回の氷山の分離でラーセン Cの12％が失われ、たとえ残りの部分が成長しても南極大陸の4番目に大きなこの氷棚の姿を大きく変えることになる。...

スォンジー大学のミダス・プロジェクトの研究チームは、NASAのアクアモディスと呼ばれる衛星計測器の画像を引用して、ラーセン Cの氷棚から、5,800平方kmで1兆トンの氷山が7月10日から12日にかけて分離したと報告した。科学者たちは10年以上にわたりラーセン Cの氷棚の亀裂を追跡しており、数ヶ月前から崩壊が始まり、6月にはこの亀裂を糸でぶら下がっている状態だと警告していた。

今回の氷山の分離でラーセン Cの12％が失われ、たとえ残りの部分が成長しても南極大陸の4番目に大きなこの氷棚の姿を大きく変えることになる。分離した氷山は過去最高の大きさで、今後どうなるのか予測するのは難しい。氷山はこのまま一つのままかもしれないが、更に細かく壊れる可能性がより高い。氷山の一部が何十年もの間、この地域に残っている可能性もあるが、一部は北の暖かい海に流れ込むこともある。

南極での氷山の分離は定期的に発生し、南極半島のさらに北のラーセンA、Bの氷棚は、それぞれ1995年と2002年に崩壊し分離した。しかし、今回の過去最高の規模の氷山の分離は、気候変動研究の問題と海面水位への潜在的な影響から世界的な注目を集めている。新しくできた氷山の体積は米エリー湖の2倍だ。

ヨーロッパの宇宙機関の衛星を用いて氷棚の亀裂の状況を観察しているミダス・プロジェクトによれば、氷山は分離する前に既に浮いていたので海面上昇に直接影響を与えない見込みだ。分離された部分はゆっくりと動くが、研究チームにより観察され続ける。海流と風で氷山は最終的には南極の北に流され、船舶は航行の危険にさらされる可能性がある。南極のこの半島自体は主要な貿易ルート外にあるが、南米からのクルーズ船の主要な目的地となっている。2007年には南極で氷山と衝突した南極海クルーズのMSエクスプローラ号が沈没し、150人以上の乗客乗員が避難した。

ある専門家は今回の氷山の分離でラーセンCは大幅に後退し、今後数ヶ月、数年で徐々に再成長するが、最終的に分離し大量の氷が海に入り海面上昇につながる可能性があると指摘している。大規模な氷山の南極からの分離は、即座に人為的な気候変動に結びつかないが、ここ数十年で急速に温暖化した南極半島に起きた現象は注目を集める。ブエノスアイレスの海岸を含むアルゼンチンのフォークランド諸島および沿岸地域、およびブラジル北東部はすでにこの氷山が溶けて海面上昇の危険にさらされているかもしれない。