米国は2日午後、ソマリア南部のバナディール地区で、アルカイダ系の過激派組織である、アルシャバブを標的として空爆を行った。米国防総省の報道官が、3日に空爆の事実を確認した。CNN等のメディアが報じている。
当局によれば、これはトランプ大統領が、米アフリカ軍司令部に対し、アルシャバブと戦うアフリカ連合軍とソマリア軍を支援するために、空爆を実行する新しい権限を3月に与えて以来、ソマリアで行う2度目の無人飛行機による空爆とのことである。
国防総省の報道官であるオードリシア・ハリス氏が「アルシャバブに対し空爆を実施した。」として、軍は「現在空爆の成果を検証している」と述べた。またハリス氏は、アルシャバブのアーメド・オソブルという名前の司令官が、空爆で殺された可能性があることを明らかにした。...
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当局によれば、これはトランプ大統領が、米アフリカ軍司令部に対し、アルシャバブと戦うアフリカ連合軍とソマリア軍を支援するために、空爆を実行する新しい権限を3月に与えて以来、ソマリアで行う2度目の無人飛行機による空爆とのことである。
国防総省の報道官であるオードリシア・ハリス氏が「アルシャバブに対し空爆を実施した。」として、軍は「現在空爆の成果を検証している」と述べた。またハリス氏は、アルシャバブのアーメド・オソブルという名前の司令官が、空爆で殺された可能性があることを明らかにした。オソブル氏はアルシャバブの「地域司令官」で、米軍の情報収集を担当していたと言われている。
「米軍はアルシャバブの掃討において、ソマリアの連邦政府、ソマリア国軍と我々のAMISOM(アフリカ連合ソマリアミッション)のパートナーを支援し、ソマリアで安全な環境を構築することに引き続きコミットする。」とハリス氏はアフリカ連合のミッションに触れて言った。
AMISOMはケニア、ウガンダ等の東アフリカ諸国の連合体であり、この数年間はソマリアでアルシャバブを掃討するための、米国が支援するアフリカ連合軍として機能してきた。アルシャバブはアルカイダ系では3番目に大きなイスラム武装勢力で、ソマリアやその周辺地域において多くのテロ襲撃事件を起こしている。国防総省は3週間前に、アルシャバブの司令部等に対する空爆を実施し、8人が死亡したという。
ソマリアのモハメド・アブドラヒ大統領は今年2月に就任して以降、一連の積極的な軍事改革を断行してきた。米軍は2013年から、アルシャバブ掃討作戦のために約50人の反テロ特殊部隊が地元軍隊の訓練を支援したり、助言を行ったりするなどして、アフリカ連合やソマリア政府を支援している。今年の4月には約40人の米兵がこれに加わった。しかし5月にこの支援部隊の要員の1人が、反テロ襲撃で地元兵に伴って行動している時に殺された。米兵がソマリアの活動で犠牲となったのは、1993年に2機のブラック・ホーク・ヘリが撃墜され、18人の米兵がモガジシューの戦いで殺されて以来のことであった。
米国はトランプ政権が誕生して以来、ソマリアのアルシャバブに対する攻勢を強めているが、在アフリカ米軍の総司令官であるトーマス・ワルドハウザー氏は、新しい空爆の権限を、一般市民が巻き込まれないよう、慎重に行使するとしている。同氏は、4月に行われた記者会見で、米国はソマリア軍が、2021年までに自力で治安を維持することができるよう支援していくと語った。
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