<個人金融資産>
日本銀行が6月27日に発表した、今年1~3月の資金循環統計(速報)によると、3月末時点での個人金融資産は、前年比49兆円増(+2.7%)の1,809兆円となったという。
内訳は、①現金・預金が932兆円(前年比+2.3%と過去最高の伸び率、全体の51.5%)、続いて、②保険・年金準備金の507兆円(全体の28%)、③株式・債権の181兆円(同10%)、④投資信託の99兆円(同5.5%)であった。...
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<個人金融資産>
日本銀行が6月27日に発表した、今年1~3月の資金循環統計(速報)によると、3月末時点での個人金融資産は、前年比49兆円増(+2.7%)の1,809兆円となったという。
内訳は、①現金・預金が932兆円(前年比+2.3%と過去最高の伸び率、全体の51.5%)、続いて、②保険・年金準備金の507兆円(全体の28%)、③株式・債権の181兆円(同10%)、④投資信託の99兆円(同5.5%)であった。
世界の中で比較すると、2015年の経済協力開発機構(OECD)データであるが、米国の63兆ドル(約6,900兆円)、2位中国の20兆ドル(約2,200兆円)に続いての3位と健闘している(因みに、以下英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、韓国と続く)。
一方、世界長者番付(2016年米経済誌フォーブス)データにおいて、資産10億ドル(約1,100億円)超の大富豪合計2,043人の内訳をみると、(1位)米国人565人(28%)、(2位)中国人319人(16%)に対して、(14位)日本人33人(2%)であることから、日本においては、大富豪以外の人達もしっかり金融資産を保有していることが判る。
ただ、各国の個人金融資産の内訳をみてみると、次のとおり、多くの主要国で③株式・債権等の保有比率が高く、従って、例えば、米国では個人金融資産の増加率が年6~7%(すなわち、株価上昇等の恩恵)で推移しているのに対して、冒頭記載のとおり、日本においては、ほぼゼロ金利の現金・預金が過半数を占めることから、全体の増加率はせいぜい年3%程度に止まる理由になっていると分析される。
(主要国の、①現金・預金、②保険・年金準備金、③株式・債権、④投資信託、の比率)
●米国:①16%、②28%、③41%、④12%
●英国:①23%、②54%、③14%、④5% [10億ドル超の大富豪は、(7位)54人]
●フランス:①29%、②26%、③31%、④9% [同 (11位)38人]
●ドイツ:①34%、②28%、③25%、④12% [同 (3位)114人]
●イタリア:①27%、②14%、③43%、④15% [同 (9位)42人]
●カナダ:①27%、②41%、③31%、④0% [同 (10位)39人]
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