将棋の中学生プロ棋士、藤井聡太四段が、これまでの公式戦連勝記録を破り29連勝した。これまで日本では、少々マイナーとみられていた将棋が、同棋士の偉業で以て、テレビはおろか大手紙も朝刊の一面を飾る程の“狂騒”を繰り広げている。
6月27日付米
『ABCニュース』:「14歳の棋士による連勝記録樹立に日本中が熱狂」
中学3年生の藤井聡太四段が6月26日、公式戦デビュー以来29連勝の新記録を打ち立てたことから、日本中が熱狂している。同棋士の偉業のニュースが、翌朝の大手紙の一面を飾ることになり、戦後最大の倒産となった、エアバッグ製造タカタについての報道が隅に追いやられた。
『共同通信』によれば、日本の将棋界は、1996年に一人の棋士(注;羽生善治三冠)が史上初めて全七冠を達成した時以来の注目を集めているという。...
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6月27日付米
『ABCニュース』:「14歳の棋士による連勝記録樹立に日本中が熱狂」
中学3年生の藤井聡太四段が6月26日、公式戦デビュー以来29連勝の新記録を打ち立てたことから、日本中が熱狂している。同棋士の偉業のニュースが、翌朝の大手紙の一面を飾ることになり、戦後最大の倒産となった、エアバッグ製造タカタについての報道が隅に追いやられた。
『共同通信』によれば、日本の将棋界は、1996年に一人の棋士(注;羽生善治三冠)が史上初めて全七冠を達成した時以来の注目を集めているという。
なお、安倍晋三首相も、藤井四段の偉業が多くの日本人に夢と希望を与えるとして称賛している。
同日付英
『ザ・ガーディアン』紙:「日本の将棋熱、14歳棋士の偉業で再燃」
藤井四段の偉業達成の際、多くのメディアが、エアバッグ製造タカタ倒産のニュースを凌ぐ勢いで報道しており、ネットでは最多時740万人が視聴していた。
大手紙のうち何紙かは号外を発行するほどの熱の入れようで、将棋界では、1990年代半ばの羽生善治棋士の全七冠達成以来の大ニュースである。
『共同通信』の報道では、もし藤井四段がこのまま勝ち進んでタイトル獲得(注;竜王)となれば、14歳にして4,300万円(30万2,000ポンド)を得ることになるという。ただ、日本将棋連盟関係者によれば、中学3年生の同棋士は、学業と並行していく必要があり、マスコミの過熱報道等によって影響が出ることを懸念している。そこで同連盟は、同棋士に付添い人を付け、かつ、タクシー移動とする特例措置を講じることにした。
同日付マレーシア
『ザ・スター・オンライン』(
『ロイター通信』配信):「日本の14歳のプロ棋士が30年振りに連勝記録を更新」
14歳のプロ棋士による、30年振りの連勝記録更新のニュースは、翌朝の大手紙の一面を飾った。そして、過去15年余り、デフレと経済停滞に喘ぐ日本にとって、将棋ファンから首相までも歓喜雀躍させる事態となっている。
日本将棋連盟関係者によれば、現在は人工知能(AI)の将棋ソフトが開発されていることから、藤井四段等若手棋士にとって、より多くの実戦経験を積む機会を与えることになるという。ただ、目下のところ、同棋士がAIとの電王戦を行う予定はないという。
なお、碁棋士世界一の柯潔(ケー・ジエ、中国人)棋士は現在19歳で、チェス世界王者のマグヌス・カールセン(26歳、ノルウェー人)がグランドマスター(世界チェス連盟が付与するチェスの称号)を獲得したのは13歳のときである。
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