この選挙運動にはこれまでで最も高い5000万ドル以上の選挙資金が費やされ、今年最も関心を集めた補欠選挙だ。トランプ米大統領への怒りをスローガンにして注目を集めた元ドキュメンタリー映画監督で民主党議員側近の米民主党のオーソフ候補（30歳）は4月の第1回投票で12人以上の候補者と争い48％を獲得したが過半数を確保できず、今回米共和党の前ジョージア州の州務長官のヘンデル候補との決戦投票となった。
共和党のプライス前下院議員がトランプ米政権の米保健福祉長官に転進したことにより今回の選挙は行われた。...
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この選挙運動にはこれまでで最も高い5000万ドル以上の選挙資金が費やされ、今年最も関心を集めた補欠選挙だ。トランプ米大統領への怒りをスローガンにして注目を集めた元ドキュメンタリー映画監督で民主党議員側近の米民主党のオーソフ候補（30歳）は4月の第1回投票で12人以上の候補者と争い48％を獲得したが過半数を確保できず、今回米共和党の前ジョージア州の州務長官のヘンデル候補との決戦投票となった。
共和党のプライス前下院議員がトランプ米政権の米保健福祉長官に転進したことにより今回の選挙は行われた。ジョージア州第6地区は、アトランタの北部の緑豊かな郊外に広がり、1979年以来長年共和党議員を選出してきたが、トランプ米大統領は2016年の米大統領選でわずか1％の差で勝利した。米民主党にとってはプライス前下院議員が前回選挙で20％以上も大差をつけて勝利した同地区で勝利する意味は大きく、トランプ米大統領への抵抗が具体的な選挙上の票につながることを示すことになる。
米共和党にとっては、負ければ来年の中間選挙（訳注：米大統領選挙の2年後に行われ、米上院議員の3分の1、米下院議員全員が改選となり、各州の定めによるが同時に任期が満了した州知事の選挙、各自治体の公職に関する選挙、欠員が生じている非改選上院議員の補欠選挙なども行われる）や、現在静かに議会で推進しようとしている悪評の高い医療改革法案のことを心配しなければならない。
最近の世論調査では、オーソフ候補はヘンデル候補をリードしているがその差は狭く縮小している。6月上旬のRealClearPoliticsによる世論調査の投票平均では、オーソフ候補のリードは1％～7％だったが、Fox 5 Atlantaによる最近の世論調査では1％となっている。6月20日の投票率は重要である。6月16日の期日前投票締め切りでは14万人以上が投票した。4月の第1回投票では193,981人が期日前投票した。前回の下院議員選挙では326,005人が投票した。
ヘンデル候補はよそ者としてオーソフ候補を貶めているが。オーソフ候補はこの地区で育った。ヘンデル候補はまた、オーソフ候補の勝利が古い秩序が崩壊すると主張している。
オーソフ候補の選挙運動には2000年以降成人したミレニアル世代、移民、州外からの移住者等の多様な人々が加わり行われているが、左翼出身者では無い。オーソフ候補は市民運動と長年アトランタの米民主党のルイス下院議員の側近として働いてきた。ヘンデル候補は共和党の医療改革法案を支持する保守派であり、今回の選挙はこの法案の賛否の代理戦争として見ることもできる。
ヘンデル候補は「生きていけるだけの賃金」の考えを糾弾した失言で、全国紙の見出しを飾ったことがある。オーソフ候補は主に全米の草の根の寄付金から2200万ドル以上を調達し、同州で資金調達の新記録となった。一方、ヘンデル候補は米商工会議所、トランプ米大統領、米共和党議会委員会等から支持を受けている。
米民主党と米共和党は民主党の将来を占うためにこの選挙を見ている。選挙はトランプ米大統領の政治に対する信任投票と見られている。オーソフ候補が勝てば、米共和党とトランプ米大統領の医療改革法案と全体の政策に対する方法に影響を与える可能性がある。
ヘンデル候補を支持するトランプ大統領は、最初彼女の名前のスペルを間違えたものの、6月19日にヘンデル候補に対する支持をつぶやいた。今年初めに行われたカンザス州とモンタナ州での米下院議員補欠選挙では米民主党は敗れた。これらはトランプ候補が2桁の差で2016年の大統領選に勝利した地区だった。また、同じ6月20日にはサウスカロライナ州でも米下院議員補欠選挙が行われ、米共和党候補が勝利する見込みだ。
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