6月2日の『The New York Times』、2つの『Reuters』、「Reuters」によれば、トランプ米大統領とロシアの問題に関し以下の通り報じている。コミー前米FBI長官はトランプ米大統領とロシア問題に関し米上院情報委員会において証言予定だ。委員会では2016年の米大統領選挙でロシアの干渉と、トランプ米大統領がフリン元米国家安全保障問題担当大統領補佐官とロシアとの関係の調査を中止するようコミー前米FBI長官に依頼したことの証言に注目している。「The New York Times」の報道では６月2日トランプ米政権の2人の高官によれば、トランプ米大統領は大統領特権を発動してこの議会証言を阻止することができるがその予定は無い見込みだ。トランプ米政権のある高官は６月２日夜、トランプ米大統領は隠すことは何もないとし、コミー前米FBI長官の証言がＴＶ放映されることを望んでいると述べた。トランプ米政権のスパイサー米大統領報道官はこの件に関しコメントせず、トランプ米大統領が何を計画しているかについても回答しなかった。

６月２日夕、米民主党はトランプ米政権の弁護士宛に書簡を送り、今回のような件で米大統領が大統領特権を発動した事例は無いと述べている。大統領特権の発動はウォーターゲート事件のような過去のスキャンダルを思い出させる政治的に危険な動きとなりうるものだ。ニクソン元米大統領は事件に関する米議会の調査を阻止しようと発動し、オバマ前米大統領は、メキシコの銃カルテルが武器の所有を放棄した後に米議会の質疑の中で、一度発動した。...

６月２日夕、米民主党はトランプ米政権の弁護士宛に書簡を送り、今回のような件で米大統領が大統領特権を発動した事例は無いと述べている。大統領特権の発動はウォーターゲート事件のような過去のスキャンダルを思い出させる政治的に危険な動きとなりうるものだ。ニクソン元米大統領は事件に関する米議会の調査を阻止しようと発動し、オバマ前米大統領は、メキシコの銃カルテルが武器の所有を放棄した後に米議会の質疑の中で、一度発動した。歴代の米大統領は高官とのやりとりの記録を退任時まで機密扱いとすることが多かった。現在民間人であるコミー前米FBI長官の証言を禁止する大統領特権を発動することはこれまでにないものとなる。法律家の専門家によればトランプ米大統領は秘密の会話や国家安全保障問題が含まれると主張し、コミー前米FBI長官の証言をやめさせるために大統領特権を発動することができるが、これは反発を招き裁判となる可能性があるとし、またトランプ米大統領はコミー前米FBI長官との会話をツイッターで既に公にしてしまっているので、大統領特権を発動するのは難しいのではないかとしている。大統領特権とは米大統領が政府機関からの情報公開を差しとめることを可能にする法的学説で、米最高裁判所は1974年にニクソン元米大統領のウォーターゲート事件件で判決を下し、大統領特権は国家安全保障や政府機関内の機密情報の保護など限られた状況でのみ発動することができるとしている。大統領特権を発動する前に米大統領は通常、米司法省の一部門である法制意見室から発動を正当化する書面を取得する。政権の弁護士は非公式に決定に関与することもある。大統領特権を発動後、米大統領は現・元政府官僚に情報を漏らさないよう指示することができる。トランプ米大統領は大統領特権でコミー前米FBI長官の証言をやめさせようとすると、正義の妨害となると指摘する専門家もいる。これは、大統領特権は政権の不正行為を隠すために使用するものでは無いためである。トランプ米大統領の発動した大統領特権をコミー前米FBI長官が無視した場合、通常、米大統領は大統領特権を発動して公務員が情報を公開するのを防ぐが、コミー前米FBI長官は現在、民間人であり彼が大統領特権を遵守しなくても失業を心配する必要は無くまた法的制裁もないが、前例が無いと専門家は述べている。