短距離弾道ミサイルは、スカッドの一種とみられ、高度120kmまで上昇し、東へ450km飛行し、日本の排他的経済水域(EEZ)へ落下したとみられる。
スカッドの射程距離は、300kmから500kmとされ、韓国のほぼ全土が射程範囲に含まれる。
北朝鮮によるミサイル発射実験は、3週連続であり、異常な頻度で行われている。
今回の発射の目的は定かでないが、発射されたミサイルの射程距離が短距離で、EEZの境界線を意識して狙っていることからして、日本海に展開する米空母を標的とした実験であったと考えられる。...
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短距離弾道ミサイルは、スカッドの一種とみられ、高度120kmまで上昇し、東へ450km飛行し、日本の排他的経済水域(EEZ)へ落下したとみられる。
スカッドの射程距離は、300kmから500kmとされ、韓国のほぼ全土が射程範囲に含まれる。
北朝鮮によるミサイル発射実験は、3週連続であり、異常な頻度で行われている。
今回の発射の目的は定かでないが、発射されたミサイルの射程距離が短距離で、EEZの境界線を意識して狙っていることからして、日本海に展開する米空母を標的とした実験であったと考えられる。
また、今回、ミサイルの先端には、小さな翼が取り付けられており、ミサイルの方向を制御できる仕様となっており、敵の防空システムへの対応を念頭に置いた実験であったとも考えられる。
さらに、スカッドミサイルを束にして大陸間弾道ミサイル(ICBM)打ち上げを行なうため、ICBMの第1段目に使用するミサイルの発射実験であったとの見方もある。
先日、日米両国は、北朝鮮の脅威に対して防衛能力の向上を図るべく、日米の具体的な行動を取ることで一致した。
具体的な行動とは、イージスア・ショア(イージス艦による地上配備型迎撃システム)を念頭に置いているものと考えられる。
なぜなら、イージスア・ショアであれば、2基配備すれば日本全体をカバーでき、設置費用は1基800億円程度とみられる。対して、THAAAD(高高度ミサイル迎撃システム)の場合、最低6基の設置が必要なうえ、1基1000億円以上と高価であるからである。
今後、北朝鮮が、1日複数発のミサイル発射や、日本海を飛び越えるミサイル発射実験を行なうことは十分予想されることから、日本は、ミサイル防衛体制の強化が急務であると考えられる。
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