トランプ政権は、ICBM開発を目指す北朝鮮の脅威に備え、ミサイル防衛システムの強化を急ぐ方針である。
すでに、北朝鮮は、5月14日に新型中距離弾道ミサイル「火星12型」の打ち上げに成功しており、北朝鮮の脅威は日々高まっている。火星12型の射程距離は約5千kmとみられ、米国アラスカ州が射程範囲に含まれる。また、韓国軍関係者は、北朝鮮が、数年後にはICBMを完成させるとみており、北朝鮮の核・ミサイルの脅威は確実に近づいてきているものと考えられる。...
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トランプ政権は、ICBM開発を目指す北朝鮮の脅威に備え、ミサイル防衛システムの強化を急ぐ方針である。
すでに、北朝鮮は、5月14日に新型中距離弾道ミサイル「火星12型」の打ち上げに成功しており、北朝鮮の脅威は日々高まっている。火星12型の射程距離は約5千kmとみられ、米国アラスカ州が射程範囲に含まれる。また、韓国軍関係者は、北朝鮮が、数年後にはICBMを完成させるとみており、北朝鮮の核・ミサイルの脅威は確実に近づいてきているものと考えられる。
米国国防総局の報道官によれば、米国西海岸から約4200マイル(6720km)離れた太平洋のマーシャル諸島からICBMの模擬弾を打ち上げ、これをカルフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から地上配備型の迎撃ミサイル(GBI)を発射し、大気圏外で迎撃するとのことである。また、GBIは全長17m、重量13t、の3段式大型サイロ発射式ミサイルで、THAADとは異なるシステムであるとのことである。
これまで、ミサイル迎撃実験は、中距離弾道ミサイルを対象に、1999年以降17回実施しており、2008年に初めて迎撃に成功し、その後8回(合計9回)成功(成功率52.9%)している。今回、初めてICBMを対象とした迎撃実験を行なう予定である。
現在、米国は、GBIをカルフォルニア州バンデンバーグ空軍基地に4基、アラスカ州フォートグリーリー基地に32基の計36基配備している。また、2017年末までに米国は、新たにGBIをアラスカ州に8基を配備し、44基体制に増強する計画である。
今回の実験は、前回2014年6月以来3年ぶりのGBIの迎撃実験となり、実験の目的は、GBIの精度および信頼性の高さを再確認することにあるものと考えられる。
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