今回の様に、米国大統領が初の訪問先として中東を訪れることは異例のことである。
トランプ大統領は、サウジアラビアのサルマン国王と会談し、1100億USドル(日本円で12兆2500億円)の武器売却で合意し、今後10年間で3500億USドル(日本円で38兆9900億円)の武器供与を行なうことで合意した。
現在、サウジアラビアは、イエメンの反政府勢力との戦闘において精密誘導ミサイルの導入や、ホルムズ海峡を挟んで宿敵イランと対峙しており、戦闘機、戦艦、THAAADなどのミサイル迎撃システムを導入しようとしている。...
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今回の様に、米国大統領が初の訪問先として中東を訪れることは異例のことである。
トランプ大統領は、サウジアラビアのサルマン国王と会談し、1100億USドル(日本円で12兆2500億円)の武器売却で合意し、今後10年間で3500億USドル(日本円で38兆9900億円)の武器供与を行なうことで合意した。
現在、サウジアラビアは、イエメンの反政府勢力との戦闘において精密誘導ミサイルの導入や、ホルムズ海峡を挟んで宿敵イランと対峙しており、戦闘機、戦艦、THAAADなどのミサイル迎撃システムを導入しようとしている。
この大型商取引により、トランプ大統領は、ビジネスマンとしての手腕を米国民にアピールでき、選挙公約である米国内の雇用確保を実現できると信じているものと考えられる。
また、トランプ大統領は、イランを除く約50ヵ国にも及ぶイスラム圏の首脳との国際会議の場で、米国大統領選挙中のイスラム教徒に対する攻撃的な発言を封印し、米国政府が中東諸国と協力する方針であることを強調するとともに、イスラム諸国に対しても、イスラム過激派やテロの脅威との戦闘において自主的な努力を求めた。
さらに、トランプ大統領は、「イランは、数十年にわたり宗教的対立とテロを激化させた。イラン政府は大量殺戮を公言し、イスラエルの破壊、米国の破壊、ここにいる多くのイスラム圏の指導者や国の破壊を宣言している」と延べ、イランを強く批判した。
一方、サルマン国王も、「イランは、テロリズムの根源であり、米国との共通の敵だ」とし、「我々は、過激派勢力との戦いで結束する責任がある。イランの政権は、世界的なテロリズムの急先鋒だ」と述べた。
今回、トランプ大統領のサウジアラビア訪問の目的は、①米国のアラブ諸国に対する反イスラム感情の払拭②サウジアラビアとの同盟関係の立て直し③イランへの牽制にあるものと考えられる。
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