特別検察官の設置は、野党民主党が、以前からトランプ政権から影響を排除する観点から強く求められており、今回、トランプ大統領によるロシア外相への機密情報漏えい問題を受け、共和党も応じざるをえなかったものと考えられる。
また、民主議員のなかには、トランプ大統領の弾劾を求めるものもいる。
特別検察官は、正副大統領を含む政府高官やその周辺の人々の犯罪を捜査、訴追する権限があり、大統領や司法長官から独立して活動することができる。...
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特別検察官の設置は、野党民主党が、以前からトランプ政権から影響を排除する観点から強く求められており、今回、トランプ大統領によるロシア外相への機密情報漏えい問題を受け、共和党も応じざるをえなかったものと考えられる。
また、民主議員のなかには、トランプ大統領の弾劾を求めるものもいる。
特別検察官は、正副大統領を含む政府高官やその周辺の人々の犯罪を捜査、訴追する権限があり、大統領や司法長官から独立して活動することができる。さらに、必要に応じて、人員や予算などを省内外から要求することもできる。
モラー氏は、解任されたコミー氏の前任のFBI長官で、オバマ前政権で12年間FBI長官を勤めたベテランである。
今後、モラー氏の監督の下、FBIは大統領選挙を巡るトランプ陣営とロシアの関係の解明を強力な権限を持って幅広く調査することになる。
この特別検察官任命につき、与野党双方から歓迎する声が上がっている。このうち、マケイン共和党議員からは「彼ならあらゆる角度からロシアの選挙への干渉を徹底的に調べてくれると確信している」と述べた。
一方、トランプ大統領は、「私の陣営と外国のいかなる組織との間で共謀を企てたことはない。私は、この問題がすぐに終結することを期待している。」と述べ、疑惑を否定した。
また、任命に当たったローゼンスタイン司法副長官は、「特異な状況を踏まえて、通常の指揮系統から独立した権限の下で捜査を進めることが求められている。」と説明し、捜査の独立性を高める目的があることを強調した。
今後、真相の究明がどの程度進展するのか注目される。
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