トランプ米大統領のロシア問題を巡る動きについて5月17日『Reuters』、2つの『The Washington Post』、『The Washington Post』は以下の通り報じている。

トランプ米大統領によるコミー前米FBI長官の解任と2016年の米大統領選挙運動でのロシアの関与の疑いについて、米共和党の議員の大半は現在のFBIと議会による調査で十分であるとし、ライアン米下院議長もトランプ米大統領を信頼していると述べているが、与野党から独立した調査や弾劾を求める声が増えている。
トランプ米大統領は5月17日米国沿岸警備隊アカデミーの卒業式での演説で、自分は他の政治家よりも不公平に扱われていると不満を訴えた。...

トランプ米大統領によるコミー前米FBI長官の解任と2016年の米大統領選挙運動でのロシアの関与の疑いについて、米共和党の議員の大半は現在のFBIと議会による調査で十分であるとし、ライアン米下院議長もトランプ米大統領を信頼していると述べているが、与野党から独立した調査や弾劾を求める声が増えている。
トランプ米大統領は5月17日米国沿岸警備隊アカデミーの卒業式での演説で、自分は他の政治家よりも不公平に扱われていると不満を訴えた。米株式市場はこの問題で減税や企業重視の政策の実施が遠のくのを嫌気して大きく下落した。S＆P500とダウ平均は昨年9月以来一日の下落では最大を記録した。一連の報道はトランプ米大統領がフリン元米国家安全保障問題担当大統領補佐官とロシアの関係についてのFBIの調査を妨害して終わらせようとしていたとの疑いを強めた。議会の委員会はコミー前米FBI長官の公開証言を求めるとともに、トランプ米大統領がコミー前米FBI長官にロシア問題の調査を中止させようとした会話のメモの提出をFBIに求めた。コミー前米FBI長官の側近によれば、コミー前米FBI長官はトランプ米大統領への対応に関する別の未公開のメモも残している。米民主党員は米司法省がロシア問題を調査するために特別検事を任命することを要求している。
スパイサー米大統領報道官によれば、5月17日トランプ米大統領は、マッケイブFBI長官代行、キーティング 元オクラホマ州知事、リーバーマン前米上院議員、マクフィエリー元米FBI交換といった4人のFBI長官候補者と面接予定だ。プーチン露大統領は5月17日、米露会談時にトランプ米大統領はラブロフ露外相に秘密を漏らさなかったと述べ、必要なら米議会に会談の議事録を手渡す用意があると述べた。

米司法省は5月17日、2016年の米大統領選挙へのロシアの関与の問題のため2001年から2013年にFBI長官を務めた元検察官のミューラー氏を特別顧問を任命する。この動きは米司法省とは独立した調査を求める米民主党の要求に対するトランプ米政権による譲歩といえる。

トランプ米大統領と議会で最も近いマッカーシー米下院多数党院内総務が2016年6月15日に米共和党議会幹部との雑談で、プーチン露大統領から共和党のロラバッハー米上院議員とトランプ氏が資金援助を受けていると述べた事実が明らかになった。ロラバッハー米上院議員はプーチン大統領とロシアの熱烈な擁護者として知られている。これを聞いた他の議員は最初冗談かと思い笑ったがマッカーシー米院内総務は神に誓うと答えた。その場にいた米共和党のライアン下院議長は話をさえぎり、この件についての探索をやめさせ、内密にするように求めた。マッカーシー米院内総務とライアン米下院議長は雑談の直前に、ウクライナ首相と会談を行い、そこでウクライナ首相が東欧の民主主義を圧倒するために、プーチン政権の大衆迎合の政治家に対し資金援助を行う戦術を説明した。