昨年の米大統領選でトランプ氏に敗れた民主党のヒラリー・クリントン(元国務長官)は、トランプ氏に「抵抗」するためだという新たな政治団体「Onwards Together(共に前へ)」を設立する事を発表した。当団体の目的は、進歩的価値感を広め、昨年の選挙で過半数の票を獲得したことを再確認してもらい、米国を公平な世にするためだという。具体的には政治に国民の声をどう反映させるか元国会職員がアドバイスしたり、黒人差別に対抗するための法や選挙改正を推進するという。米保守系メディアは、無制限の献金が許される非営利団体に分類されるこの団体設立は、クリントン氏が選挙戦で批判してきた「献金」目的であると批判している。
5月16日付英国
『インディペンデント』(AFP通信引用)は「ヒラリー・クリントンが政治団体「共に前へ」立ち上げへ」との見出しで以下のように報道している。
「ヒラリー・クリントン氏が大統領選で負けた相手ドナルドトランプ氏に「抵抗」する政治団体を立ち上げ、政治の舞台へ舞い戻る事が分かった。自身のツイッターで「数か月、家族と森を歩いたりして過ごし考えを巡らせてきた」とし、人々の活動参加や公職立候補まで支援する政治団体「Onwards Together(共に前へ)」を設立するという。...
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5月16日付英国
『インディペンデント』(AFP通信引用)は「ヒラリー・クリントンが政治団体「共に前へ」立ち上げへ」との見出しで以下のように報道している。
「ヒラリー・クリントン氏が大統領選で負けた相手ドナルドトランプ氏に「抵抗」する政治団体を立ち上げ、政治の舞台へ舞い戻る事が分かった。自身のツイッターで「数か月、家族と森を歩いたりして過ごし考えを巡らせてきた」とし、人々の活動参加や公職立候補まで支援する政治団体「Onwards Together(共に前へ)」を設立するという。団体のホームページ上にある設立目的には、進歩的価値感を広め、昨年の選挙で66%の票を獲得した事実を再確認してもらうためだ、とある。声明では「人々が憎しみ、弱いものをいじめ、欺瞞や軋轢に抵抗するのを見て、公平な世にするためどうやって支援していくか考えてきた。今感じている情熱を持って戦い続ければ、今後の米国は多くの事を成し遂げられるに違いない。」と述べている。
クリントン氏はこれまでツイッターで、差別と闘う団体や来年の中間選挙へ向けた民主党を支援するメッセージを送ってきた。
この新団体は、政治に国民の声をどう反映させるか元国会職員がアドバイスしたり、黒人差別に対抗するための法や選挙改正を推進する部所を置く。また団体への直接資金提供も行う場合もあるという。クリントン氏によると、当団体への賛同者に2004年民主党予備選挙に出馬した左派で元バーモント州知事ハワード・ディーン氏がいるという。
昨年の予想外の選挙大敗に関し「今年は思い描いたような年にならなかったけれど、何に対して闘えばよいかは明確だ。もっと寛容で包容力がある米国にする事だ。」と述べている。」
同日付米国
『ブライトバート』は「ヒラリー・クリントンの「共に前へ」、選挙戦で批判していた「闇献金」に向け立ち上げ」との見出しで、団体設立は献金集め目的だと批判している。
「クリントン氏が立ち上げる政治団体「Onwards Together(共に前へ)」のホームページ上の設立目的には、「進歩的価値感を広め人々に政治参加してもらうため」だなどと高い理想を掲げ、また「Resist, insist, persist, enlist(反発、主張、忍耐、立ち上がる(立候補)」などとクリントン氏はメッセージを乗せているが、その実態は、同氏が選挙中にひどく批判していた「資金集め」目的なのである。
現にホームページ上では、団体への寄付かEメールリストへの登録しかできない。ユーザーが登録すると、すぐに画面は「寄付」へ進み、メール送信と寄付が求められる。
特筆すべきは、当団体が内国歳入庁(IRS)の登録で、「出資者の明記なしに資金を受ける事が出来る非営利団体」として登録されていることである。この出資金こそ「闇献金」と言うべきものである。
クリントン氏は去年の選挙戦の間、米国政治への闇献金の影響をことごとく批判してきている。
2010年最高裁では会社法人に無制限の献金を許す「シチズン・ユナイティド判決」が下り、非営利団体が資本金の上限なし活動できるようになったが、クリントン氏はこの法は選挙に悪影響だと法改正を主張してきた。
昨年10月の選挙集会では、「女性やLGBTの権利を支援する最高裁、選挙で闇献金を許す「シチズン・ユナイティド」を止めさせる最高裁」を主張。クリントン氏が関連する団体は他にも、選挙対策委員長ジョンポデスタ設立の「Center for American Progress」がある。」
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