5月14日付Globali「北朝鮮、中国による国境封鎖の脅しにもめげずに再び弾道ミサイル発射」で報じたとおり、北朝鮮は、中国からの国境封鎖の脅しにもめげず、しかも、中国主導の「一帯一路」サミット開催日初日に合せて、再び弾道ミサイルの発射実験を行った。北朝鮮は、過去に発射が失敗に終わったときは一切報道しないが、今回は成功したこと、しかも核弾頭搭載が可能な長距離弾道ミサイルの発射だったとして、誇らしげに喧伝した。この暴挙に対して、日米韓はもとより、中国、ひいては欧州連合(EU)まで一斉に非難声明を発表している。一方、ミサイル発射と被疑者不詳の無差別サイバー攻撃があったにも拘らず、5月15日の原油価格及びアジア株価市場は大幅上昇した。
5月15日付米
『Foxニュース』(
『CNNニュース』配信):「北朝鮮、今回発射のミサイルは核弾頭搭載可能と発表」
北朝鮮国営メディアの
『朝鮮中央通信』は5月15日、前日に発射した長距離弾道ミサイル“火星(ファソン)12”が高度2,111.5キロメーター(1,312マイル)、飛翔距離787キロメーター(489マイル)を達成したとした上で、同ミサイルに大型核弾頭を搭載可能なことも証明したと報道した。...
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5月15日付米
『Foxニュース』(
『CNNニュース』配信):「北朝鮮、今回発射のミサイルは核弾頭搭載可能と発表」
北朝鮮国営メディアの
『朝鮮中央通信』は5月15日、前日に発射した長距離弾道ミサイル“火星(ファソン)12”が高度2,111.5キロメーター(1,312マイル)、飛翔距離787キロメーター(489マイル)を達成したとした上で、同ミサイルに大型核弾頭を搭載可能なことも証明したと報道した。
同通信はまた、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が立ち会っていること、更に、米本土と太平洋内米軍基地が射程距離に入っているので、米国はこれ以上挑発することを止めるよう警告した。
ホワイトハウスは、国際社会の厳しい対応を求めるとした上で、今回のミサイルが日本よりむしろロシアに近い海域に落下したことについて、ロシアは快く思っていないだろう、とのトランプ大統領のコメントを公表した。
一方、ロシアのビクター・オゼロフ上院国防・安全保障委員会委員長は、今回のミサイル発射及び落下地点の監視はできており、ロシア主権範囲に何ら影響がないと判断したとした上で、極東空域の安全保障を常に注視していると語っている。
同日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「核弾頭搭載ミサイル発射の成功を受けて、金正恩が“担当幹部を抱き寄せて祝福”」
『朝鮮中央通信』は、金委員長がミサイル発射の成功を見届けた後、“大変な成果を収めた”とミサイル研究センターの担当幹部を抱き寄せて祝福したと報じた。
これに対して米国のニッキー・ヘイリー国連大使は、5月16日に国連安全保障理事会の緊急会合を開く方向で取進めていると語った。
同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「北朝鮮、中距離弾道ミサイル発射実験が成功と発表」
北朝鮮による度重なる核実験及びミサイル発射に伴って、ここ数ヵ月の朝鮮半島情勢はかなり緊張が高まっている。国連安保理の制裁決議も含めて、国際社会は頻繁に北朝鮮の行為を非難している。
同日付韓国
『KBSニュース』:「EU及びNATOも北朝鮮のミサイル発射を非難」
北朝鮮の再度のミサイル発射を受けて、EU報道官は、北朝鮮に対してミサイル発射を止め、かつ核開発を放棄して、関係各国との対話を模索するよう要求すると表明した。
また、北大西洋条約機構(NATO)報道官も、今こそ挑発を止めて緊張を鎮めるべきときだとの声明を発表した。
一方、同日付英
『メール・オンライン』(
『ロイター通信』配信):「サイバー攻撃と北朝鮮の脅威にも拘らず、アジア市場は2年振りの高値を付けて原油価格も上昇」
先週末までに、150以上の国の20万余りのコンピューターに対する無差別サイバー攻撃、北朝鮮のミサイル発射実験、更には、弱含みの米経済指標(4月の小売り売上高等が市場予測以下)というニュースが流れたにも拘らず、5月15日の国際市場は活況を呈している。
・アジア市場:前日比+0.1%上昇して2015年6月以来の高値。サイバー攻撃による被害がさほど深刻でないと投資家が判断したもの。
・原油市場:米原油価格(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)及びブレント原油価格(ロンドン国際石油取引所)とも+1%、それぞれ1バレル当り48.32ドル(約5,460円)及び51.37ドル(約5,800円)まで上昇。サウジアラビアとロシアの両エネルギー相が、2018年3月までの石油減産体制維持につき合意したことが追い風。
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