5月12日、マクマスター米国家安全保障問題担当大統領補佐官は、トランプ米大統領が中東訪問に際して、パレスチナ民族の自決権の支持を表明すると述べ、またこれまでの米政権が主張してきたイスラエルとパレスチナ間の紛争への2国家共存政策にとらわれないことを示唆した。5月3日にパレスチナ自治政府のアッバス議長との会談時にトランプ米大統領は歴史的な和平協定を望むと述べている。
トランプ米大統領は初の外遊で最初にサウジアラビアを訪問することで、混乱と暴力を引き起こすイラン、イスラム国、アルカイダ、シリアのアサド政権と立ち向かうために、アラブ・イスラム各国の同盟国が大胆な措置を講じることを奨励する。...
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5月12日、マクマスター米国家安全保障問題担当大統領補佐官は、トランプ米大統領が中東訪問に際して、パレスチナ民族の自決権の支持を表明すると述べ、またこれまでの米政権が主張してきたイスラエルとパレスチナ間の紛争への2国家共存政策にとらわれないことを示唆した。5月3日にパレスチナ自治政府のアッバス議長との会談時にトランプ米大統領は歴史的な和平協定を望むと述べている。
トランプ米大統領は初の外遊で最初にサウジアラビアを訪問することで、混乱と暴力を引き起こすイラン、イスラム国、アルカイダ、シリアのアサド政権と立ち向かうために、アラブ・イスラム各国の同盟国が大胆な措置を講じることを奨励する。外遊は今週末に始まり、イスラエルやローマといったキリスト教、ユダヤ教、イスラム教の聖地を訪れて統一のメッセージを世界に伝える。トランプ米大統領は今回の会談でイスラエルのネタニヤフ首相にユダヤ人国家への揺るぎない米国の絆を再確認し、またパレスチナ自治政府のアッバス議長にはパレスチナに対する尊厳とパレスチナ民族の自決権を米国は望んでいること表明する予定だ。
トランプ米大統領の中東訪問時にイスラエルとパレスチナの指導者との会談は、別々に開催される予定だ。マクマスター米補佐官は5月22~23日に予定されている中東訪問中に、トランプ米大統領がネタニヤフ首相とアッバス議長を同席させて会談できるかどうかは、まだ確定していないが3者しだいだとしている。多くの専門家はこれまで歴代の米政権が避けてきた中東和平問題へのトランプ米政権の対応が実現するか疑問を抱いている。
パレスチナ人はトランプ米大統領が5月3日にアッバス議長との共同会見で2国家共存政策に言及しなかったことに失望している。トランプ米大統領は、2月にイスラエルのネタニヤフ首相との記者会見で、パレスチナ国家に対する2国家共存政策という米国の長年の方針にとらわれないと述べ国際的に批判をあびた。独立国家となることはパレスチナ人の願望であるだけでなく、長年にわたる米国の行政と国際社会の目標でもある。
またトランプ米大統領はイスラエルの米国大使館をテルアビブからエルサレムに移転させる問題についてイスラエルとパレスチナの和平交渉にどのように影響を及ぼすか慎重に検討中だ。トランプ米大統領は1月に就任して以来、中東和平協定の実現に必要なことを行うと宣言しながら、米大使館移転問題を棚上げている。イスラエルはエルサレムを永遠の首都と見なし、すべての国々がエルサレムに大使館を置くことを望んでいる。パレスチナ自治政府もエルサレムを首都であると主張しているため、多くの米国の同盟国やパレスチナ自治政府は移転に強く反対している。
トランプ米政権は、移転問題についてイスラエルが移転を中東和平に役立つと見るかそうでないかを含めイスラエル次第だとしているが、これに対しイスラエルは、これまでに何度も述べたようにエルサレムがイスラエルの首都ではないとのパレスチナの幻想を打ち破ることを推進すると述べている。エルサレム問題は、中東紛争の中で最も感情的な問題あり、双方が長年主張している。これまでの米国大統領は米国大使館をエルサレムに移転させるという米国の法律の実行を繰り返し先延ばしきた。パレスチナ自治政府は大使館の移転は紛争の中で最も敏感な問題で仲介者としてのアメリカの地位を損なうと主張する一方でイスラエルは大使館の移転は和平のためには良いことだと主張している。
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