5月12日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』：「米国、中国の“一帯一路”フォーラムに出席」
トランプ政権は、5月14、15日に北京で開催される、中国主導の“一帯一路”フォーラムに出席すると発表した。先月初めに習近平（シー・チンピン）主席と会談したドナルド・トランプ大統領が、中国批判から中国連携へと舵を切った政策転換の一環とみられる。
マシュー・ポッティンガー大統領補佐官（東アジア担当）が率いるチームが出席するが、中国財政部の朱光耀（チュー・グァンジャオ）副部長（副大臣に相当）は、世界一の経済大国の米国代表の参加で、“一帯一路”経済構想の良い後押しになると歓迎する旨コメントした。...
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5月12日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』：「米国、中国の“一帯一路”フォーラムに出席」
トランプ政権は、5月14、15日に北京で開催される、中国主導の“一帯一路”フォーラムに出席すると発表した。先月初めに習近平（シー・チンピン）主席と会談したドナルド・トランプ大統領が、中国批判から中国連携へと舵を切った政策転換の一環とみられる。
マシュー・ポッティンガー大統領補佐官（東アジア担当）が率いるチームが出席するが、中国財政部の朱光耀（チュー・グァンジャオ）副部長（副大臣に相当）は、世界一の経済大国の米国代表の参加で、“一帯一路”経済構想の良い後押しになると歓迎する旨コメントした。
米国含めた29ヵ国の代表が参加する同フォーラムは、未だ具体的な青写真が示されている訳ではないが、基本的に中国が牽引する形で、東アジア～ユーラシア大陸に位置する多くの国々のインフラ開発・建設及び経済連携を目指すこととなる。
なお、米国の他、ドイツや英国も同フォーラムに代表を送ることから、これまで得てして不安視されていた中国政策の透明性について、より明確になるものとみられる。
5月13日付英
『メール・オンライン』（
『ロイター通信』配信）：「米国が北朝鮮参加を非難するも、中国は“一帯一路”フォーラムへの参加はどの国も歓迎すると表明」
米国が“一帯一路”フォーラムに参加するに当り、北朝鮮へも参加を促すのは、同国の脅威を国際社会が非難している最中、間違ったメッセージになると中国に対して注文を付けた。しかし、中国外交部は、“一帯一路”経済構想は開かれたプロジェクトで、国際社会の協力体制を促すものなので、どの国の参加も歓迎する、との声明を発表した。
なお、中国国営メディアの
『新華社通信』は5月13日の報道で、“一帯一路”政策はこれまで西側諸国から無視されてきた国も含めた、広域の国々の開発を目指しているとして、西側諸国が挙げている、同政策の内容や中国の覇権主義を疑問視するとの姿勢を一蹴した。
同日付フランス
『フランス24』（
『AFP通信』配信）：「中国メディア、プロパガンダをベッドタイム・ストーリィとして喧伝」
中国国営メディアの
『チャイナ・デイリィ』は、5月14、15日に北京で開催される“一帯一路”フォーラムを前に、習主席が主導する同政策の素晴らしさを喧伝するビデオをオンライン配信し始めた。その内容は、同紙勤務の米国人エリック・二ルソン記者の逸話の形をとって、中国外の国々からの注目を集めようとしている。
すなわち、同記者が自身の娘に語る“ベッドタイム・ストーリィ（子供を寝かしつけるときに話して聞かせるおとぎ話）”として、“一帯一路”経済構想が究極的には、アジア～アフリカ～欧州を結び付ける、壮大な開発プロジェクトであることが判りやすく作られている。これによって、同プロジェクトが、如何に多くの国々にとって有益となるかをアピールしようとしている。
なお、もう一つのエピソードとして、英国産ウィスキー・ボトルが、英国～中国まで鉄道輸送され、途中で一緒に搬送されたビタミン瓶とともに、最終的に中国人家族の台所棚に一緒に並ぶ姿が、ストーリィ仕立てで作られている。
これら報道の背景として、トランプ大統領らが打ち出し始めた自国第一主義に対抗して、中国は国際社会の新たなリーダーとして、世界全体最適を目指しているとする、習主席のプロパガンダを喧伝する意図があるとみられる。
同日付中国
『新華社通信』：「“一帯一路”構想、世界のガバナンス改善の一助に」
経済専門家は、中国が目指す“一帯一路”経済構想が、世界が直面している経済の落ち込みや保護主義等に対抗して、国際社会のより良いガバナンス（統治）を形作っていく上での明確な挑戦となるとして評価している。
同経済フォーラムに関して、国連のアントニオ・グテーレス事務局長も、“中国が中心となって”、国際社会が直面している様々な問題に対して、世界を纏め上げようとしていると称賛している。
更に、同事務局長は、世界には気候変動・人口過多・食の不安・水不足等、一国では解決できない様々な問題があるが、例えば“一帯一路”政策のように、多くの国が協力して問題解決に当っていくことが重要である、と強調した。
なお、“一帯一路”経済構想は、現在までに100以上の国及び国際組織から支援を受けており、また、40ヵ国以上の国々が中国との協力協定を交わしている。
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