今回の選挙に伴い、9年ぶりに太陽政策を推進する革新系大統領の誕生となった。ただ、文大統領誕生に関して、北朝鮮は正式なコメントを出していない。
今後、組閣に着手するものと考えられるが、新政権の与党である「共に民主党」は、国会の定数300議席のに対して4割の120議席しかなく、議会の承認が得られるかが第1関門となる。
また、重要法案の処理にも議員の6割の同意が必要であり、朴前大統領の属する自由韓国党(106議席)他野党の協力を要する。...
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今回の選挙に伴い、9年ぶりに太陽政策を推進する革新系大統領の誕生となった。ただ、文大統領誕生に関して、北朝鮮は正式なコメントを出していない。
今後、組閣に着手するものと考えられるが、新政権の与党である「共に民主党」は、国会の定数300議席のに対して4割の120議席しかなく、議会の承認が得られるかが第1関門となる。
また、重要法案の処理にも議員の6割の同意が必要であり、朴前大統領の属する自由韓国党(106議席)他野党の協力を要する。
さらに、選挙戦で公約に掲げていた「経済成長の促進と若年層の失業問題の解決」には、政権と財閥との距離間のとり方と経済成長推進という難題が立ちはだかっており容易に解決できないものと考える。
対外的には、主にTHAAD配備の見直し問題と北朝鮮の核・ミサイル問題が焦点になると考えられる。文大統領は、THAAD配備の問題に関して「問題解決のため、米国や中国と真摯に交渉する」と述べ、対話を重視する姿勢を前面に出した。
また、米韓同盟については、すでにトランプ大統領と電話会談を行ない米国との関係を重視する姿勢を見せた。一方、自主国防体制の強化にも努めるとの考えも示している。
一方、中国の習主席は、「両国の食い違いを適切に処理して協力を深め、両国関係を建設的かつ安定的に発展していきたい」との祝電を送った。ただし、THAAD問題には触れかった。恐らく、中国は、現在実施している経済制裁の解除をちらつかせて、THAAAD配備の見直しを迫るものと考える。
今後、THAAD配備の費用負担を含めた米韓の軍事費負担問題、THAAD配備の見直しおよび米韓両国のFTA見直し問題など新政権が米国もしくは中国のどちらの関係を重視して対応していくのかに注目が集まる。
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