米国は中国に次ぎ第2位の温室効果ガスの排出国であるが、トランプ政権の石炭産業復興政策により温暖化対策は滞りをみせるどころか昨年11月に発効した「パリ協定」からの離脱も視野にあり(しかし発行から3年は離脱通告出来ない)、EU各国や国内企業・国会議員も協定に留まるよう説得にあたっているという。
そんな中8日イタリアで開かれた「世界食糧サミット」の基調講演で、オバマ元大統領は、現米国政権はオバマ政権が進めた気候変動対策を廃止する方向にあり、そのペースはゆっくりしたものになるだろうが、温暖化対策で米国は正しい方向に向かっている、民間企業では既にクリーンエネルギーに投資し活用することで成果を出し始めていると明るい展望を語った。しかし温暖化による食糧不足問題は難民を増やすことにもなり、各国の排出量を各国で管理する機構を作ることの重要性を述べた。」
5月9日付米国
『USニューズ&ワールド・レポート』(AP通信引用)は「オバマ:民間セクターが気候変動対策への鍵を握る」との見出しで以下のように報道している。
「イタリア、ミラノで開催された食の安全や環境に関する「世界食糧サミット」での基調講演で、 オバマ元大統領は、「現米国大統領がこれまでの同氏の気候変動対策を廃止する方向だが、米国が正しい方向に向かっていると確信している」と述べた。サミットには政府や企業幹部など3千人が参加。...
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5月9日付米国
『USニューズ&ワールド・レポート』(AP通信引用)は「オバマ:民間セクターが気候変動対策への鍵を握る」との見出しで以下のように報道している。
「イタリア、ミラノで開催された食の安全や環境に関する「世界食糧サミット」での基調講演で、 オバマ元大統領は、「現米国大統領がこれまでの同氏の気候変動対策を廃止する方向だが、米国が正しい方向に向かっていると確信している」と述べた。サミットには政府や企業幹部など3千人が参加。オバマ氏は温暖化と食糧の安定、同氏のエネルギー効率向上への取り組みを中心に語った。
米国の企業はクリーンエネルギーに向け既に始動しており、コスト削減等のトランプ政権に対抗できるような成果を出している。オバマ氏は「過去8年の政策により民間部門が未来のエネルギーはクリーンエネルギーだとの決断に至っており、既にクリーンエネルギーへの投資を始めている。対策の進みが計画より遅れる部分も出てくるかもしれないが、米国は正しい道に進んでいると確信している。」と述べた。講演でトランプ氏の名前は一度出したきりに留まり、「トランプ政権は変化をもたらしたが、連邦法が変わっても加州で従来の燃費の悪い車を生産し十分な売上を伸ばせる企業はない。米国一の自動車市場のある加州で苦戦するだろう。」という。また、食料生産はエネルギー生産の次に温暖化の推進力となる。農地が縮小し、食料価格が高騰し、政治不安を起こすところもあり、欧州の移民は紛争のみならず食料不足にも原因がある。温暖化によりこの問題は拡大するだろう。そのため必要な対策を講じなければ、欧州に大問題を引き起こす移民は増え続けるだろう。
講演後、オバマ氏にホワイトハウスで栄養政策担当上級政策アドバイザーとして務めたサム・カス氏と1時間ほど話をし、大統領職を離れて良い事は何かと聞かれ、セキュリティ網を解かれ自由に動ける事だと答えたという。大統領職を離れた最初の海外訪問のミラノでは、レンツィ元首相と会ったり、観光地や美術館等に立ち寄った。」
同日付
『ロイター通信』は「オバマ、米国は温暖化で正しい方向に向かっていると確信」との見出しで以下のように報道している。
「「世界食糧サミット」の基調講演でオバマ氏は「温暖化対策は今世紀最大の課題で、米国や中国などの先進工業国が舵取りをしなければならない。米国の政権政策により遅れるかもしれないが、米国は正しい方向に進んでいると確信している」と述べた。
トランプ大統領は選挙中、化石燃料の使用を制限し地球の温暖化を食い止める2015年のパリ協定破棄を公約。石炭産業の復活政策を進めるトランプ氏は今後パリ協定を破棄するかの選択を迫られる。2025年までに2005年比で温室効果ガス26~28%削減が求めれているが、トランプ政権は対策を講じる動きはない。
EU諸国はトランプにパリ協定に留まるよう説得を試みるつもりで、米国の工業利益を守る事になると考える米国企業や共和党議員も説得にかかっているという。オバマ氏は、パリ協定は問題のすべてを解決するような目標設定でないが、各国の排出量を各国が管理する構造と機構を作るには有効であると述べている。」
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