【Globali】
米比軍事訓練は規模が縮小(2017/05/08)
アメリカとフィリピンはマニラでの毎年恒例の軍事訓練を月曜日に行ったが、「ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の親中政策」の影響もあり訓練規模が大幅に縮小されたとのことである。これは、2015年のアキノ前大統領がアメリカ軍部と共同訓練を行ったときと、動員された兵隊の数で見ても半分以下の規模だという。
フィリピンはアメリカと軍事的に同盟関係ではあるが、ドゥテルテ大統領は、「大国としての影響力を失いグローバルリーダーとしての存在感をなくしつつあるアメリカ」との関係性を弱めて中国との経済関係を重視しつつあるようだ。
その証拠としてドゥテルテ大統領は自身のことを社会主義者と自称していて、アキノ前大統領が要求してきた南シナ海に関しても「無理には要求しない」妥協路線をとっている。
また、ドゥテルテ大統領はフィリピン内で麻薬取締を強制的に行う政策をとっている。...
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フィリピンはアメリカと軍事的に同盟関係ではあるが、ドゥテルテ大統領は、「大国としての影響力を失いグローバルリーダーとしての存在感をなくしつつあるアメリカ」との関係性を弱めて中国との経済関係を重視しつつあるようだ。
その証拠としてドゥテルテ大統領は自身のことを社会主義者と自称していて、アキノ前大統領が要求してきた南シナ海に関しても「無理には要求しない」妥協路線をとっている。
また、ドゥテルテ大統領はフィリピン内で麻薬取締を強制的に行う政策をとっている。いわゆる「麻薬戦争」と報道されているもので、アメリカにより反フィリピンのプロパガンダとして利用されている上に、人権擁護団体から「反人権的である。」と猛烈に批判されているため、ここ最近のフィリピンのイメージは悪化していく一方である。
オバマ前大統領も任期終了前までドゥテルテ大統領とは対立していたために、ドゥテルテ氏からは辛辣な悪口を言われ「軍事的同盟関係を打ち切る」とまで脅されたことがあるという。
トランプ政権になってからは関係性が少し回復したものの、いまだにドゥテルテ大統領は「親中、新露」の態度を変えようとしない。
実際に同氏は、トランプ大統領からホワイトハウスに招待されたものの「多忙なため訪問できない」と面会を拒絶しているが、中国へは来週訪問予定でロシアへは今月中に訪問する計画とのことである。
33年もの歴史があるアメリカとフィリピンの合同軍事訓練は、「バリカタン(Balikatan)」と呼ばれていて、フィリピンの公用語であるタガログ語で「協力し合う」という意味がある。去年は中国が要求している南シナ海域で大規模な軍事訓練が行われている。
アメリカとフィリピンの両軍部関係者によると、「今年の訓練は主にテロ対策と災害救助」に注力するとのことだが、「もっと大規模な軍事訓練を行いたいというのが本音です。」とアメリカの軍の幹部関係者は述べている。
今年の災害救助の訓練は台風を想定した救助訓練が含まれるという。毎年フィリピンは20もの大規模な台風に襲われていて、2013年には世界規模で起こった「平成25年台風第30号(アジア名:Haiyan)」の直撃をうけ7,300人ものフィリピン人が犠牲になった。
しかし、アメリカ軍の食糧の救難援助が来なければ死亡者数はさらに膨大な数になっていたと言われている。
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