グリーン氏は、テネシー州選出の共和党上院議員で、自分に対する「虚偽の、誤解を招く攻撃」により、誠に遺憾だが辞退を決断せざるを得なくなったと語った。
グリーン氏は1986年にウェストポイント米陸軍士官学校を卒業し、陸軍の軍医や小隊の指揮官等として勤務した。軍や病院に医療スタッフを派遣するAlign MD社のCEOを務めている。
テネシー州の上院議員として、グリーン氏は昨年、LGBTの人々に対する差別を助長しかねない法案の発起人になったと言われている。...
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グリーン氏は、テネシー州選出の共和党上院議員で、自分に対する「虚偽の、誤解を招く攻撃」により、誠に遺憾だが辞退を決断せざるを得なくなったと語った。
グリーン氏は1986年にウェストポイント米陸軍士官学校を卒業し、陸軍の軍医や小隊の指揮官等として勤務した。軍や病院に医療スタッフを派遣するAlign MD社のCEOを務めている。
テネシー州の上院議員として、グリーン氏は昨年、LGBTの人々に対する差別を助長しかねない法案の発起人になったと言われている。また過去に「もし精神科医に尋ねれば、トランスジェンダーは病気だと言うだろう」などと語ったことについても厳しい批判を受けた。同性婚には反対の立場を取っており、イスラム教の正式教化等についても反対している。
チャック・シューマー上院院内総務を始めとした民主党の議員たちは、そうしたグリーン氏の見解によって、同氏の指名に反対することを宣言していたが、今回の辞退の決定を歓迎した。
シューマー院内総務は「マーク・グリーン氏の陸軍長官指名辞退の決定は、全ての米国人にとって良いニュースだ。特にLGBT、イスラム教徒、ヒスパニックのコミュニティー等を非難するコメントによって個人的に攻撃された人々にとっては良いニュースだ。」と述べている。
5日にはまた、人権保護団体が上院の軍事委員会のリーダーである議員たちに、グリーン氏の指名を拒否するよう求めている。アリゾナ州のジョン・マケイン上院議員、ロード・アイランド州のジャック・リード上院議員等に対し、グリーン氏の恥ずべき表現は陸軍の基本理念に反し、軍人の採用にも影響すると主張した。
トランプ大統領が4月初旬にグリーン氏の起用を決定したことは、オバマ前大統領がそのポストにエリック・ファニング氏を選んだことと対照的だった。ファニング氏は国防総省の上級幹部であり、陸海空軍で初めて同性愛者を公言した長官であったからだ。
グリーン氏は陸軍長官を辞退した2番目の候補者である。トランプ大統領の最初の候補者、ビンセント・バイオラ氏は2月、長官職と自身のビジネスとの利益相反を理由に指名を辞退している。またその約3週間後には、海軍長官に指名されたフィリップ・ビルデン氏も同様の理由で辞退しており、トランプ政権の人事が迷走している。
空軍長官については、ヘザー・ウィルソン氏が候補者となっており、共和党が多数を占める上院で8日に投票が行われる予定である。
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