5月25日にトランプ大統領はNATOの会議に出席予定で、就任後初めて海外に自ら遠征する。その際に、サウジアラビアとイスラエルへも訪問する予定とみられる。
トランプ大統領は選挙期間中からサウジアラビアの国防費の負担額について批判し続けていたが、先月サウジアラビアのムハンマド皇太子がホワイトハウスを訪問した際には「共通の敵であるイランの脅威」について互いに認識し、同盟関係の強化の必要性を確認したという。...
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5月25日にトランプ大統領はNATOの会議に出席予定で、就任後初めて海外に自ら遠征する。その際に、サウジアラビアとイスラエルへも訪問する予定とみられる。
トランプ大統領は選挙期間中からサウジアラビアの国防費の負担額について批判し続けていたが、先月サウジアラビアのムハンマド皇太子がホワイトハウスを訪問した際には「共通の敵であるイランの脅威」について互いに認識し、同盟関係の強化の必要性を確認したという。
アメリカにとっても中東は石油の利害関係が絡み、安全保障政策上も重要な地域であり、中東各国との同盟関係は切っても切り離せないが、アメリカの国防費の負担額が増加し財政に悪影響を及ぼすことを懸念しているとみられる。しかし、サウジアラビアや湾岸諸国はトランプ新大統領を「強いリーダー」として認識しているようで、特にイランやISとの闘いにおいては利害が一致する。
ISについて質問されるとトランプ大統領は「ISは絶対に倒さなければならない。いずれ必ず彼らは敗れ去りこの戦いはいつか終わるだろう。しかし、そのためには多くの忍耐と屈辱に耐え抜かなければならない。戦いは長期にわたり極めて困難になることが予測される。」とコメントした。
ISやイスラム過激派との闘いと関係することではあるが、トランプ大統領はイスラエルの右翼と頻繁に対立していたオバマ前大統領とは違い、イスラエルに対しては温厚な態度を見せている。しかし、現段階では「中東が平和になることが最も望ましいことだ。イスラエルとパレスチナが争う理由はない。」と述べている。
しかし、トランプ氏は中東和平に向けての具体的な戦略については就任後一言も発していなく、「5月のイスラエル訪問の際に、アメリカはエルサレムをイスラエルの首都として認める宣言をするかどうか?」についても記者のインタビューに対しては、「1ヶ月以内にはお答えできる。」とだけ述べ、詳細についてはノーコメントであった。
1967年の中東戦争の後にイスラエルはエルサレムの全土を再統一することに成功したが、トランプ大統領が今回イスラエルを訪問する2017年は再統一の50周年記念にあたる。
イスラエルは今現在もエルサレムの東側を要求しているが、歴代のアメリカ政府も国際社会もイスラエルの要求は容認してこなかった。
トランプ政権のイスラエル問題についての見解が仮にもし異なれば、イスラエル・パレスチナ問題はより一層困難を極めていくと予測される。
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