4月23日の『FoxNews.com』、『the guardian』等は4月23日に行われたフランス大統領選挙の第1回投票状況について、通信社の予測を引用し中道系マクロン候補と極右政党のル・ペン候補が5月7日の第2回投票へ進出すると報じている。開票率76％の段階でマクロン候補23.3％、ル・ペン候補22.7％、中道右派共和党のフィヨン候補19.8％、急進左派のメランション候補18.8％と内務省は発表している。第2次世界大戦以来、代表的な左右両党が大統領選の第1回投票で敗退したのは初めてとなる。

マクロン、ル・ペン両候補の第2回投票進出への予測は現地時間午後8時に投票が締め切られた直後に公表されたが、ル・ペン候補の支持者は発表前から勝利を確信して選挙本部で仏国歌を歌い始めた。ル・ペン候補は支持者を前に勝利を宣言し、素晴らしい選択だとし、仏国民を傲慢なエリートから解放したいと語った。ル・ペン候補の第2回投票への進出は世界中で注目されており、英国のEU離脱投票とトランプ氏の米大統領選挙での勝利に続く民衆主義運動の勝利と見なされている。...

マクロン、ル・ペン両候補の第2回投票進出への予測は現地時間午後8時に投票が締め切られた直後に公表されたが、ル・ペン候補の支持者は発表前から勝利を確信して選挙本部で仏国歌を歌い始めた。ル・ペン候補は支持者を前に勝利を宣言し、素晴らしい選択だとし、仏国民を傲慢なエリートから解放したいと語った。ル・ペン候補の第2回投票への進出は世界中で注目されており、英国のEU離脱投票とトランプ氏の米大統領選挙での勝利に続く民衆主義運動の勝利と見なされている。一方39歳で過去最年少の仏大統領候補であり投資銀行員であり選挙経験の無いマクロン候補はヨーロッパと国家の団結を訴え、フランスを変えるというスローガンを支持した有権者を賞賛した。

選挙で敗れたフィヨン候補や社会党のアモン候補をはじめ多くの政治家が第2回投票でマクロン候補を推薦した。特にカゼヌーヴ首相はル・ペン候補を倒すよう国民に呼びかけた。メランション候補は投票の最終結果が発表されるまで敗北を認めず、第2回投票で誰も推薦しないと述べた。第2回投票を勝ち抜くための重要な他党との同盟関係を持たないル・ペン候補はすべての愛国者が自分に投票するよう訴えた。4月20日、警官1人と狙撃手が死亡したシャンゼリゼでの銃撃事件を受けてこの大統領選挙は6を超える投票所周辺の警備が強化され、政府は投票所を保護するために5万人以上の警察官、7千人の兵士が動員される中で行われた。

フランス政治の方向性を決めるもう一つの選挙が下院である２回の国民議会選挙（6/11、6/18）だ。大統領は行政権を持つが立法権は国会にあるため、大統領が安定した政権運営をするためには、この国会議員選挙で与党議員を多く確保することが大切だ。いずれが大統領になるにせよ、マクロン候補は議会で多数派を作らなければならないし、ル・ペン候補は大統領選挙で勝ったとしても、議会で多数派を構成することはほぼ無理だろう。現在ル・ペン候補の党は2名しか国民議会議員はいない。

今回の仏大統領選挙で現職のオランド大統領は戦後最低のわずか4％の支持率しかなく再選を断念した。彼の5年の任期中、フランスは大量失業、経済の低迷、政治家への幻滅、わずか2年で230人以上テロでの殺害、300万人以上の失業等、混迷を深めた。