4/18(火)ドナルド・トランプ大統領は、視察に訪れたウィスコンシン州にある工作機械メーカーで、技術力ある移民や彼らのための産業界のビザの過剰申請等によって米国人労働者の仕事が奪われているとして、ビザ発給プログラムの見直し等に関する新しい大統領令に署名した。
大統領令は「米国製品を買い、アメリカ人を雇用する(Buy American and Hire American)」というスローガンに則り、米国の産業技術業界が求めるビザの発給が公正に行われるよう、政府当局に新しいルールを提案することを要請するものである。
「我々は自国の労働者とその仕事を保護し、最終的にはアメリカ・ファーストを実現する。」とトランプ大統領は宣言した。特に技術的に優れた外国人労働者にのみビザを与え、法令で求められる、米国産製品を政府が購入するというプログラムが確かに実現されているかを検証する意図がある。...
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大統領令は「米国製品を買い、アメリカ人を雇用する(Buy American and Hire American)」というスローガンに則り、米国の産業技術業界が求めるビザの発給が公正に行われるよう、政府当局に新しいルールを提案することを要請するものである。
「我々は自国の労働者とその仕事を保護し、最終的にはアメリカ・ファーストを実現する。」とトランプ大統領は宣言した。特に技術的に優れた外国人労働者にのみビザを与え、法令で求められる、米国産製品を政府が購入するというプログラムが確かに実現されているかを検証する意図がある。
ウィスコンシン州は11月の大統領選挙で白人の労働者階級の支持により、かろうじて勝利を収めた州である。同州の大統領への支持率はわずか41%であり、今回同州で署名したことにはそうした背景があると思われる。
大統領は昨年、米国の貿易と法規制に関する政策を抜本的に見直すことを選挙公約に掲げたが、今回の指令は手続や運用の側面が大きく、決定的な変更をもたらすものではない。政府当局には150日が与えられており、当面は何も起きない可能性もある。最近、大統領は中国を為替操作国として名指ししないことを決定したり、輸出入銀行の廃止を取り下げたりする等、幾つかの政策を転換している。一方で、火曜日の大統領令にはNAFTAの廃止も含まれており、強硬な経済政策を改めて主張してもいて、その動向の予測は難しい。
新大統領令の狙いは、不法移民やプログラムの不正利用を防止するルールを提案するよう、米国の政府当局に命じることだ。外国人技術者に発給しているH-1Bビザを対象としているが、最高の技術力があり、高い賃金を支払うべき申請者にのみ与えられるように、プログラムを変更するよう促している。
多くの外国人労働者が国内に流入して賃金が下降する事態となり、米国労働者にしわ寄せが及んでいると新政権は考えている。一方産業界は、学生が高度な技術専門家として学位を取った後も米国に残ることを奨励しているが、必ずしもアメリカ人だけでは、そうした技術を持った人が簡単に採用できないという事情がある。
前日に発表された統計によると、H1Bビザの申請者は今年、この5年で初めて20万人を切った。今年15%、おおよそ37,000人減少したが、合計ではまだ認められる上限の85,000人をはるかに上回っている。
火曜日の大統領令はまた、米国産製品が一定の連邦の建設プロジェクトや様々な助成金が与えられるプロジェクトに使用されるよう、要件を強化することを求めている。商務長官は大統領に対して220日以内に提案を出すことになっている。
ビザのプログラムに関しては、民主党議員や各種の商工業団体等が、改善は歓迎するが、必ずしもトランプ大統領の考えどおりのものではないとしている。商工会議所は、米国ビジネスの成長と拡大に大きく貢献し、世界における米国の競争力をさらに高めてくれる、高い技術の労働者に対して門戸を閉じないよう求めている。
トランプ大統領は、長い間米国の商品や労働者を支援すると約束しているが、自身のビジネスについては必ずしもそうではない。衣料品等多くのトランプ・ブランドの製品が海外で生産されており、外国人労働者を雇用してもいる。
大統領はウィスコンシン州で、カナダとの貿易不均衡についても触れ、カナダの酪農事業者がウィスコンシン州やニューヨーク州のマーケットを喪失させており、カナダは非常にアンフェアであると述べた。チーズの原料に対して同国が関税をかけることを決定したため、両州の約70の酪農家が影響を受けるという。
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