米国のショーン・スパイザー大統領報道官は、記者会見で第二次大戦中のナチス・ドイツのヒトラーでも化学兵器は使わなかった(それなのに、シリア・アサド大統領は市民に使用した)と発言し、ホロコーストでは主に化学兵器により多くの犠牲が出たとされるため批判を浴びた。同氏はこの発言を不適切だったと謝罪した。現在はちょうどユダヤ教徒の過越祭(ペサハ)中のため余計に批判が高まっており、ユダヤ教関係者からはスパイザー氏の辞任要求も出ている。
4月11日付米国
『USAトゥデイ』は「ショーン・スパイザー:ヒトラー発言は誤り」との見出しで以下のように報道している。
トランプ大統領のスパイザー報道官はアサドをヒトラーに例えたことを撤回した。火曜の記者会見で同氏は「第二次大戦において科学兵器は使用されなかった。ヒトラーでさえも(使用していない)」と発言。火曜の記者会見での発言を同日夕方「不適切だった」と謝罪。「先週アサド政権が行ったように戦場においては使用しなかったという意味だったと説明、サリンガスについてはアサドがしたようなやり方では使用しなかった。...
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4月11日付米国
『USAトゥデイ』は「ショーン・スパイザー:ヒトラー発言は誤り」との見出しで以下のように報道している。
トランプ大統領のスパイザー報道官はアサドをヒトラーに例えたことを撤回した。火曜の記者会見で同氏は「第二次大戦において科学兵器は使用されなかった。ヒトラーでさえも(使用していない)」と発言。火曜の記者会見での発言を同日夕方「不適切だった」と謝罪。「先週アサド政権が行ったように戦場においては使用しなかったという意味だったと説明、サリンガスについてはアサドがしたようなやり方では使用しなかった。ホロコーストセンターで購入していた、と理解している、なので街の中で使用したわけでなかったと言ったのだ。」などと説明。
批評家からは、これに対し「強制収容所」でなく「ホロコーストセンター」などという表現を使うことにも批判がおき、多くのドイツ国民が犠牲となったにもかかわらず「自国民には使わなかった」という発言とともに批判された。スパイザー氏は表現については、「ホロコーストの恐ろしさを控えめに言ったつもりだった」と弁解した。
スパイザー氏のコメントに対し、米国ホロコースト記念博物館はすぐさま抗議。「アン・フランク・センター」も(報道官は)ホロコーストを否定しているとして、トランプ氏にスパイザー氏の解任を要求するとし、現在はちょうどユダヤ教徒の過越祭(ペサハ)中のため余計に批判が高まっているという。
同日付英国
『BBC』は「ホワイトハウスがヒトラーと化学兵器に関してへまをし批判を浴びる」との見出しで以下のように報道している。
スパイザー米報道官はアドルフ・ヒトラーが第二次大戦中に化学兵器を使用しなかったと発言した事を謝罪し「私は不適切にホロコーストに関する発言をし、お詫びします。」と述べた。
批評家はホロコーストではユダヤ人などを虐殺するのにガスが使用させたと指摘する。
米情報機関の報告書では、シリア政府は空爆で化学兵器を使用しているとしている。
ユダヤの祭日中に起きたスパイザー氏の失言は、オンライン上でも大きな批判を受け、元クリントン大統領の娘チェルシー・クリントンやヒラリー・クリントン氏もその中に含まれるという。
ベンカルダン上院議員は、ツイッター上で「誰か報道官にヒトラーについて歴史復習授業をしてやってくれ」と言ったり、「アン・フランク・センター」はトランプ大統領に報道官の解任を要求した。今年1月にもホワイトハウスはホロコーストに関し批判を受けていた(難民・イスラム教7か国の入国禁じる大統領令を国際ホロコースト記念日に署名)。
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