一方、4月7日の『The Washington Post』はこの会談での北朝鮮の核ミサイル問題を以下のとおり報じている。米中両首脳は北朝鮮問題に対して明確な解決策を見つけられず、シリアのアサド政権の化学兵器使用疑惑に対して、会談初日に行われたトランプ米政権の予期せぬシリアへの軍事攻撃は両者の立場の違いを際立たせた。トランプ米大統領は習近平中国国家主席にシリアへの軍事攻撃の事実と背景を説明すると習近平中国国家主席はトランプ米大統領の説明に感謝の意を表明し、子供が殺害されているならこのような軍事的対応はやむをえないと答えている。中国は、シリア問題で一方的な米軍の行動に長年反対し、ロシアとともに国連安全保障理事会でのシリア問題の決議に拒否権を繰り返し行使している。一方中国外務省の報道官は4月7日、中国がシリア問題の政治的解決を支持し、さらなる状況の悪化を防ぐことが緊急であると述べた。習近平中国国家主席はサプライズが好きでなく、米国が軍事行動を起こしている最中にトランプ米大統領と手を握って友情を宣言して笑うシーンは中国では受け入れられそうにない。中国では指導者は公務中の振る舞いが厳密に事前に振り付けられ、ニュースメディアは管理され、あらかじめ決められた手順を守ることが最も重要だ。4月6日夜米国の報道機関は、シリア攻撃は大胆だが計算された中国への警告だと報じた。北朝鮮が大陸間弾道ミサイルを米国に向けて使用する計画があるなら米国は軍事行動を行わなければならずそれは朝鮮戦争を意味するので避けなければならないというものだ。中国が核ミサイル問題で北朝鮮に圧力をかける代わりに米韓軍事訓練を抑制することに関しての具体的な合意は今回無かった。
The Washington Postの引用によれば中国共産党系の新聞である環球時報は、オバマ前米大統領が行わなかったシリアへのミサイル攻撃をトランプ米大統領が威厳を示すために行い、また自分が単なる実業家出身ではない大統領であることをこの攻撃で世界に示したかったのではと報じている。