今現在もシリアでは内戦および紛争が終わらない状況が続いているが、国連は6年以上たってもいまだに解決しないシリア問題に終止符を打つべく、EUをはじめ世界各国に巨額の寄付金を募っている。
国連は合計で80億ドルもの大金を募っているが、関係国はいまだに紛争についてはそれぞれ立場や見解が異なり対立している。しかし、ここ最近ではカタールやクウェートが国連の意向に同意し始めている。ロンドン会議では過去4年間にわたり110億ドルもの寄付金を集めることに成功してきたが、多くの国は寄付金集めについて国連から要求されている目標達成へのプレッシャーを感じているとのこと。
しかし、その後ロシアが空爆を開始し、今ではシリア難民は五百万人にものぼりトルコやヨルダン、レバノン、イラクなどへ命からがら逃げての生活を余儀なくされているという。...
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国連は合計で80億ドルもの大金を募っているが、関係国はいまだに紛争についてはそれぞれ立場や見解が異なり対立している。しかし、ここ最近ではカタールやクウェートが国連の意向に同意し始めている。ロンドン会議では過去4年間にわたり110億ドルもの寄付金を集めることに成功してきたが、多くの国は寄付金集めについて国連から要求されている目標達成へのプレッシャーを感じているとのこと。
しかし、その後ロシアが空爆を開始し、今ではシリア難民は五百万人にものぼりトルコやヨルダン、レバノン、イラクなどへ命からがら逃げての生活を余儀なくされているという。
EUの政府関係者は「世界各国の首脳や外務大臣、大使などに召集をかけて会議を行えば
国連の支持する和平プロセスも進行しやすくなるのではないか。」と主張しているが、
オランダのベルト・クーンデルス外務大臣は「シリアの政治的問題の解決への糸口がいまだにつかめない状況ではEU各国も巨額な資金を容易に提供するわけにはいかない」と述べている。
ジュネーブの会議で取り決められた和平交渉もいまではアメリカやロシアは支持してなく、ロシア政府に至ってはイランなどと個別に交渉している状況になってきている。
さらに、オバマ政権下ではアメリカはシリアの民主化を支持していたが、トランプ政権は
ISとの闘いを優先するためにロシアを支持すると表明した。EUはアサド政権の打倒を目指してきたが、アメリカは今後アサド大統領の追放のためには自ら行動しないと考えられ、今後のシリア問題はさらに難航していくのではないかとみられる。
EUの外交政策の関係者も「シリアはもはや7年前のような状況に戻ることはできないでしょう。」と述べていて、シリアの悲惨な状況や未来について悲観的に考えているとみられる。
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