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【Globali】
米墨貿易交渉、メキシコはトウモロコシで対抗(2017/04/04)
北米自由貿易協定(NAFTA)は自動車などメキシコ製の安価な製品輸入で米国民の雇用を奪っているとして、その再交渉がトランプ政権の重要な公約の一つとなっているが、再交渉開始を前にその影響を最も受けると思われているメキシコは、農業分野で米国に対抗しようと考えていると 『ニューヨークタイムズ』が報じた。
4月2日付 『ニューヨークタイムズ』は、「メキシコ、貿易交渉でトウモロコシを切り札とする用意」という見出しで、毎年何億枚と消費されるトルティーヤ(メキシコ人が常食とするトウモロコシ製薄焼きパン)から家畜飼料用の大量の強化トウモロコシまで、恐らくトウモロコシはメキシコにとって生活と文化の中心と言えるほど重要な農産物であるが、そのトウモロコシがメキシコでNAFTA協議のための強力な対抗手段として考えられていると報じた。...
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4月2日付 『ニューヨークタイムズ』は、「メキシコ、貿易交渉でトウモロコシを切り札とする用意」という見出しで、毎年何億枚と消費されるトルティーヤ(メキシコ人が常食とするトウモロコシ製薄焼きパン)から家畜飼料用の大量の強化トウモロコシまで、恐らくトウモロコシはメキシコにとって生活と文化の中心と言えるほど重要な農産物であるが、そのトウモロコシがメキシコでNAFTA協議のための強力な対抗手段として考えられていると報じた。その理由は、メキシコで消費される大量のトウモロコシが米国から輸入されており、米国のメキシコへの最大の輸出農産物となっているからである。メキシコ政府はアルゼンチンやブラジルなど米国以外からの輸入及び国産品の増産を検討しており、腹立ち紛れにあるメキシコの議員は3年以内に米国からの輸入を停止する法案を提案した。
米国からメキシコへのトウモロコシの輸出額は昨年約26億ドルを数えた。これは5,250億ドルの両国間の年間貿易額から見れば僅かではあるが、両国経済の依存関係の象徴と言えるほど重要なものとなっている。トウモロコシを始めとする農産物の市場を喪失する可能性が出て来たことはコーンベルトと呼ばれる米国中西部の農家に衝撃を与えており、この地域は大統領選挙でトランプ大統領を支持しただけに動揺は大きい。先週議会に回付されたトランプ政権の資料によれば、米墨両国が経済、文化、歴史の面で深く関係していることに理解を示し、NAFTAの再交渉は大半の協定を残す穏健なものとなるようにも思われる。しかし、ホワイトハウスはそれを否定しているようであり両国の農業関係者は心穏やかだはない。
NAFTAは米国の農家にとっては新しい海外の市場を開き、農産物輸出を4倍に増やして大きな利益をもたらした。米国農務省によれば2016年の米国のメキシコ宛農産物輸出は180億ドルでメキシコは第三位の市場となっている。メキシコはトウモロコシ、乳製品、鶏肉、小麦の最大の輸入国であり、豚肉、大豆、牛肉なども上位輸入国になっている。メキシコは昨年1,380万トンのトウモロコシを米国から輸入したが大半は家畜の飼料用でトルティーヤに使われる消費用のトウモロコシは国産品が使われている。米国では今やあらゆる農産品の生産者がNAFTA再交渉への慎重な対応を求めてロビー活動を行っていると報じている。
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