①就任の目的:クシュナー米大統領上級顧問の不動産開発企業クシュナー・カンパニーズのオーナーとしての経験を活用して小さな連邦政府、政府職員の削減、規制廃止を推進するトランプ米政権で、いくつかの政府機能の民営化を目指す。米大統領選で沼地を排水すると公約したトランプ米大統領は、連邦政府職員のほとんどの新規雇用を凍結し、数千人もの連邦政府職員の削減を伴う政府機関の縮小を提案し、規制の大幅な撤廃を提案し、3月28日にエネルギーに関する一部の規制を巻き戻す大統領令に署名している。ビル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュ、バラク・オバマ等の大統領は、民間部門からの提案を採用して政府を改革し合理化する取り組みを成功させた。
②クシュナー米大統領上級顧問の現在の職務:現在の職業(不動産開発企業オーナー)との絡みで利益相反について米民主党が指摘したにもかかわらず、米大統領上級顧問に任命されている。現在は中東和平取引や幅広い内外の政策責任を与えられている。大統領報道官は彼が新しい任務を任されても支障は無いとしている。
③新職務とイヴァンカとの関係:3月19日の週、トランプ米大統領の娘のイヴァンカ・トランプ氏は、ホワイトハウスに自分の事務所を設け、機密情報にアクセス可能となり、政府から電話を与えられた。大統領補佐官は以前、彼女はトランプ米政権で何の役割も無いと述べていた。クシュナー米大統領顧問の行政改革を推進する大統領直属の新設機関「アメリカン・イノベーション局」にイヴァンカ氏は協力するが、公式に彼女は役職を持たないと大統領補佐官が述べたとワシントンポスト紙は報じている。
④歴代の米政権の行政改革:1993年のクリントン政権は、米政府の仕組みを見直す中で「政府の再編」を求めた。彼の改革は連邦政府の雇用ペースを鈍化させ、連邦政府の職員を240,000人削減し、小規模な政府事務所を閉鎖した。ブッシュ大統領は政府の行政改革を提案したが、2001年9月11日のテロの後、国家安全保障機関の再編に焦点を当て、多くの機関を国土安全保障省に設置した。2012年のオバマ大統領は、商務省を閉鎖し新しい政府の輸出機関を創設することで10年以上にわたり30億ドルの政府支出を節減し、1,000人以上の雇用を削減することを提案したが、議会の承認が得られなかった。
⑤クシュナー米大統領顧問に関するニュース:3月28日の
『Reuters』は、クシュナー米大統領顧問がウクライナ介入に伴う欧米による経済制裁下のロシアのロシア開発対外経済銀行(VEB)の役員と昨年12月に面会したと報じている。クシュナー米大統領顧問はこの件で米大統領選挙へのロシアの関与を調査する米上院諜報委員会で証言することに同意している。尚、単に米国の制裁対象となっている国の企業の代表者と会っただけでは制裁違反でも法律違反でもない。
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