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【Globali】
仏ル・ペン大統領候補:訪露、勝利の可能性(ゴールドマン・サックス)(2017/03/27)
3月24日の 『CNBCによるReutersの引用』によれば、ロシアの下院外交委員会のスラツキー委員長の招待でル・ペン仏大統領候補はロシアを訪問したが、プーチン露大統領と3月24日にクレムリンで会談した。プーチン露大統領は、①プーチン政権は希望するフランスの政治家と面会する権利がある、②ル・ペン仏大統領候補は躍進するヨーロッパの政治勢力を代表している、③フランス大統領選に関しいかなる方法でも影響を与えたくないが、すべての国の政治的勢力の代表者と自分は話す権利を持っている、と述べた。ル・ペン仏大統領候補は①ウクライナ危機におけるロシアの行動について欧州連合の制裁に自分が反対した理由を説明、②ロシアとフランスが世界的なテロとの戦いのため結束する必要がある、と述べた。これに対し、プーチン露大統領も西側諸国と連係してイスラム国と対抗しようと長く提唱してきたと応えた。プーチン露大統領との会談は、ル・ペン仏大統領候補の政治的賭けであり、自身の外交政策への仏国内の信頼を高めるのに役立ったとみられる。ル・ペン仏大統領候補はフランスでは人気がますます高まっているが、海外の極右勢力は別として海外諸国の支援を得るのに苦労している。ペスコフ露大統領報道官は記者団に対し、プーチン露大統領とル・ペン仏大統領候補は、ロシアがル・ペン仏大統領候補の政党への資金援助については話し合われていないと述べた。
フランス大統領選挙では、候補者の誰かが4月23日の第1回投票で過半数を取れなかった場合、上位2名の投票獲得者のうち5月7日の第2回投票で多い票を得た者が勝者となる。3月24日の 『CNBC』によれば、ウォール街のコンセンサスでは、ル・ペン仏大統領候補が次期フランス大統領にならないとなっているが、それは確約されたものでないとして、ゴールドマン・サックスの世界戦略部門責任者のボビー・ベデラル氏の見解を紹介している。...
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フランス大統領選挙では、候補者の誰かが4月23日の第1回投票で過半数を取れなかった場合、上位2名の投票獲得者のうち5月7日の第2回投票で多い票を得た者が勝者となる。3月24日の 『CNBC』によれば、ウォール街のコンセンサスでは、ル・ペン仏大統領候補が次期フランス大統領にならないとなっているが、それは確約されたものでないとして、ゴールドマン・サックスの世界戦略部門責任者のボビー・ベデラル氏の見解を紹介している。ベデラル氏は今回の大統領選挙の第2回投票で、国民戦線党首のル・ペン仏大統領候補がどのようにして投票の50%以上を獲得することができるか分析している。ル・ペン仏大統領候補はフランスのEU離脱を呼び掛けており、これが実現すれば昨年夏の英国のEU離脱を決めた投票に続き、EUにとり致命的なものとなる可能性がある。最新の世論調査によればル・ペン仏大統領候補とマクロン仏大統領候補が第2回投票で対決し、マクロン仏大統領候補が60%以上の投票を獲得して勝利することをベデラル氏は承知しているが、世論調査のデータに疑問を呈している。近年、米国、英国などで政治の世論調査の不正確さが明らかになっている。
①世論調査と実際の投票行動の違い:自分の投票した候補が敗退した場合、第2回投票で誰が投票するか尋ねられたとき、驚くほど高い割合の人がわからないと答え、その割合は42%に達した。移民、特にイスラム系移民に反対する強硬派のル・ペン仏大統領候補に多くの人が投票しないとしている世論調査結果に疑問を持ち、「人種差別廃止の立場での政治的正当性」(political correctness)から国民は世論調査に対して嘘をついているのではないかとして、世論調査結果よりも実際のル・ペン仏大統領候補への投票は多いのではないかとしている。もし第2回投票について誰に投票するか未定の有権者の3分の2がル・ペン仏大統領候補に流れれば勝利に非常に近づくとしている。
②熱心な支持者の獲得:第2回投票で50%以上の得票を獲得するには、ル・ペン仏大統領候補が熱心な支持者を持つことが必要としている。フランスの投票率は全国平均で80%だが、ヴェドラル氏はル・ペン仏大統領候補の支持者の85%が投票に行くと考えている。もしマクロン仏大統領候補の支持者の75%しか投票に行かない場合、ル・ペン仏大統領候補は次のフランス大統領になる可能性がある。
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