悪天候のため順延されていた、ドイツ首相の訪米、そして米大統領との会談が実施された。しかし、会談の中味よりも真っ先に報道されたのは、トランプ大統領のメルケル首相への醒めた態度である。すなわち、英国のメイ首相へは甲斐甲斐しく手を取ってエスコートし、安倍首相とは長い間抱擁気味の握手を交わしていたのに、メルケル首相とは首脳会談開始前に、メディア注文にも拘らず握手もせず、また、会談内容では、北大西洋条約機構(NATO)への分担金拠出増額要望が中心だったと言われる。トランプ氏政敵のオバマ前大統領と親密だった同首相に対し、意趣返しかと勘繰られる状況である。
3月17日付米
『ジ・エポック・タイムズ』オンラインニュース:「メディアに誤報、ドナルド・トランプ大統領はアンゲラ・メルケル首相と握手は交わしていた」
「●何社かのメディアは、ドナルド・トランプ大統領がアンゲラ・メルケル首相との首脳会談に先立ち、メディアに公開した場面で、同首相との握手を拒んだ、と大見出しで報道。
●しかし実際には、メディア公開前に、ホワイトハウスに同首相を迎え入れた際、両首脳は握手していたのが事実。...
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3月17日付米
『ジ・エポック・タイムズ』オンラインニュース:「メディアに誤報、ドナルド・トランプ大統領はアンゲラ・メルケル首相と握手は交わしていた」
「●何社かのメディアは、ドナルド・トランプ大統領がアンゲラ・メルケル首相との首脳会談に先立ち、メディアに公開した場面で、同首相との握手を拒んだ、と大見出しで報道。
●しかし実際には、メディア公開前に、ホワイトハウスに同首相を迎え入れた際、両首脳は握手していたのが事実。
●ただ、メディア公開時、メディアの求めに応えて、メルケル首相が“握手しますか?”と質問したのに、トランプ大統領は無反応で、同首相と視線も合さず、ずっと前を見ていたことも事実。
●メルケル首相の移民政策などを“グローバリスト(汎社会主義者)”の間違った政策とトランプ大統領が厳しく非難していたことから、同大統領支援者の手前、厚く歓迎する態度は取れなかったとの見方。
●また、メディア嫌いの同大統領が、メディアの注文に応えることはしたくなかった(つまり、メルケル首相との握手を拒んだ訳ではない)との見方もあり。」
3月18日付中国
『環球時報』(
『新華社通信』配信):「トランプ大統領、NATO加盟国に対
して防衛費に関し“公平な負担をする”よう要求」
「●トランプ大統領は3月17日、メルケル首相との会談の際、米国はこれまでどおりNATOを支援するとしながらも、NATO加盟国に対して、“防衛費に関し公平な負担”をするよう、改めて要求。
●ただ、同首相に対しては、ドイツとして決められたとおり、2024年までに国内総生産(GDP)の少なくとも2%分の分担金を拠出するべく対応するとの回答に満足し、謝意。」
同日付ロシア
『RT(ロシア・トゥデイ)テレビニュース』:「トランプ大統領、メルケル首
相のNATOへの分担金増額の“約束”を評価」
「●初の米独首脳会談で、NATO分担金の拠出は主要議題のひとつ。
●そこでメルケル首相は、トランプ大統領のNATO支援表明に感謝した上で、ドイツとして2024年までにNATO分担金の増額(内規であるGDPの2%相当の分担)を約すと明言した上で、既に昨年ドイツは国防費を8%増額しており、今後も同様措置を講ずる意向とも説明。
●この表明にトランプ大統領も評価。
●なお、NATO加盟28ヵ国のうち、GDPの2%相当以上の拠出をしているのは、米国・英国・エストニア・ギリシャ・ポーランドの5ヵ国のみ。
●米国の防衛費の拠出額が、他国総計の2.5倍以上(全体の7割余り)になっており、トランプ大統領はこの状況を変えたいと、大統領選のときから主張。」
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