2006年、東芝は54億USドル(当時のレートで約6400億円)で米国企業ウエスチングハウスを買収した。
しかし、ウエスチングハウスが1兆以上の損失を発生させ、2016年4-12月期の決算では約7125億円の損失を計上する見通しである。
以前から、米国では原子力事業はすでに斜陽産業とみなされており、福島原発事故以降さらに拍車がかかっていた。
同時期、同じ原発メーカーのゼネラル・エレクトリックはすでに原発から撤退を決断していた。...
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2006年、東芝は54億USドル(当時のレートで約6400億円)で米国企業ウエスチングハウスを買収した。
しかし、ウエスチングハウスが1兆以上の損失を発生させ、2016年4-12月期の決算では約7125億円の損失を計上する見通しである。
以前から、米国では原子力事業はすでに斜陽産業とみなされており、福島原発事故以降さらに拍車がかかっていた。
同時期、同じ原発メーカーのゼネラル・エレクトリックはすでに原発から撤退を決断していた。
では、どうして日本の企業は海外の企業を買収しなければならないのか。
日本企業は、少子高齢化により国内市場が縮小しているという理由で、安易に海外の市場を求めて外国企業を買収をしている傾向がある。
そうした中で、なぜ東芝は縮小する原子力マーケットに果敢に挑んだのかという疑問が残る。
他社の失敗例では、キリンビールが2011年ブラジルのビール会社を約39億USドル(日本円で4420億円)で買収したが、2017年、ハイネケンビ-ルに買収金額の20%以下の約7億USドル(日本円で790億円)で売却し損失を出した。
これからの東芝の予定される日程は、3月30日臨時株主総会でメモリー事業分社決議、3月31日債務超過に転落、4月1日メモリー会社設立、5月・2017年3月期決算発表、8月1日東証2部に転落、2018年3月債務超過により上場廃止という流れで進む見通しである。
今後東芝がどうなるかははっきりしていないが、おそらく日本政府が救済する方向で進んでいくような雰囲気である。
なぜなら、福島原発問題を解決するには日本政府は東芝の技術力を必要としているからである。
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