トランプ米大統領は、オバマ前政権が昨年の大統領選中に監視対象としてトランプタワーが盗聴されていたと以前ツイッターで発言し調査を指示しているが、政府の超党派の情報委員会や議員らは確たる「根拠・証拠はない」との見解を示している。大統領のスパイザー報道官の会見では、FOXニュースのアナリストによる情報として、米情報機関でなく英国の電子情報機関(GCHQ)が盗聴の指示をしたと指摘され、英国情報機関はこの発言は“馬鹿げている、ナンセンスだ”との異例の声明を出している。盗聴の真偽が疑問視される中、トランプ大統領は「今後2週間にかけ(盗聴に関する)興味深い情報」が出されるだろうと発言。連邦捜査局(FBI)のコミー長官は次週月曜の公開公聴会で質問攻めに合うと見られ、証拠提出を求める圧力が一層高まると見られている。
3月16日付英国
『メールオンライン』は「オバマ氏がトランプタワーを盗聴した証拠がない、上院情報委員会幹部」との見出しで以下のように報道している。
上院情報委員会の議員2人、リチャード・バー情報委員長(ノースカロライナ州)とマーク・ワーナー副委員長(バージニア州)は共同声明で、「収集された情報を基にするとトランプタワーが盗聴されたとの情報は見られなかった」とし、トランプ大統領が主張した「オバマ盗聴」疑惑を確たる証拠がないと述べた。...
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3月16日付英国
『メールオンライン』は「オバマ氏がトランプタワーを盗聴した証拠がない、上院情報委員会幹部」との見出しで以下のように報道している。
上院情報委員会の議員2人、リチャード・バー情報委員長(ノースカロライナ州)とマーク・ワーナー副委員長(バージニア州)は共同声明で、「収集された情報を基にするとトランプタワーが盗聴されたとの情報は見られなかった」とし、トランプ大統領が主張した「オバマ盗聴」疑惑を確たる証拠がないと述べた。この声明は上院の情報委員会が3月4日のトランプ氏のツイッター発言を同様に否定する内容発表した次の日に出された。民主党のアダム・シフ(加州)と共和党のデヴィン・ヌネス(加州)も「大統領の主張を裏付ける証拠はこれまで出ていない」と同様の見解を示唆した。ヌネス氏は「国家情報局は上院情報委員会が先端技術文書へアクセスするのをあまり歓迎しないようだった」、また「ラングレーのCIA(本部)に存在する証拠を検証するための適切なコンピュータ技術を教えたかは不明。それを検証中だ」とも述べているという。
同日付
『AP通信』は「トランプの側近が盗聴問題で尻つぼみ」との見出しで以下のように報道している。
トランプ大統領のオバマ氏盗聴疑惑で補佐官や政権からその証拠の提供が出来ず、大統領はますます孤立している。水曜セッションズ司法長官は、証拠がないとし、共和党のヌネス情報委員会議長も証拠がないと発言。トランプ氏の発言を額面通りに受け取れないとした。水曜のFOXでのインタビューでトランプ大統領は今後2週間で面白いものが出てくるだろうと言っている。スパイザー報道官は、トランプ大統領はオバマ政権で承認されていた通常の偵察の事に言及したのだろうとし、火曜、大統領は司法省が証拠を示すとの「自信を持っている」と述べた。
だが、証拠が出ないとトランプの信頼感を著しく傷つける。ロシアと取引があるのではとの疑惑が生まれる。
下院司法委員会のリンジー・グラハム議長はじきにFBIは極秘の聞き取りを行うだろう。召喚権限を使いFBIから盗聴命令が出ていたのかに関する情報を得る可能性にも示唆していた。
長くトランプの補佐をしているロジャーストーンはロシア関連のハッカーとオンラインで交信したがその権限は外国の機関から情報取集するため政府に与えられたようだと述べている。当時彼は米国政府がハッカーがロシアと関連があると気づいていないと思っていたが、必要なら公聴会などの場で証言するつもりだといっている。
同日付米国
『フィナンシャルタイムズ』は「英情報機関がトランプによるスパイ批判をはねつけ」との見出しで以下のように報道している。」との見出しで次のように報道している。
通常は口の堅い電子情報機関(GCHQ)は、米トランプ大統領のスパイザー報道官が繰り返しオバマ元大統領がGCHQを使って汚い事をやったと述べた事に対し、異例のコメントを出した。スパイザー氏は「偵察技術が使われたという証拠はない」、「NSAもCIAもFBIも司法省も使っておらず、GCHQを使った」とFOXニュースの政治アナリスト、アンドリュー・ナポリターノの名をだし発言。
GCHQのスポークスマンは、「GCHQが大統領(当時候補)の盗聴の指示をしたというアンドリュー・ナポリターノの発言はナンセンスである」、「馬鹿げており、無視すべき」としている。この批判で英国の情報機関でのトランプ政権への不信感は増すだろう。
両国の情報機関どおしでは、よく裏で極秘の情報が共有されていた。ここ数か月、ロシア関連の情報収取において英国は大きな役割を果たしていたが、米国の新大統領による新政府がまだ不安定なことに懸念の声もあった。
米政府委員会は「証拠がない」としたが大統領の報道官はその結論は入手可能なすべての情報に基づいたものではないと述べている。
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